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 別名

 諱(いみな)、諡(おくりな)

字を諱と呼ぶ場合もあってややこしいですが、諱は忌み名です。
死者の名前を呼ぶのが不吉だというので、別名で呼ぶことです。
諡(贈り名)とか、のちの諱などと言います。

 

 法名、法号、洗礼名

宗教上の神聖名です。

信玄、謙信なんていうのも、パッと見ると字(あざな)っぽいですが、僧侶としての名前。
武士の場合、出家したといってもそのまま武将やっていたりするんですけど。

現在でも教諭とか武道家が、形だけ僧籍を取るということはよくあり、最近は通信教育もあります。

不動産屋や建築家が、神官の資格を取って、自分で地鎮祭をやっちゃうこともあります。

この手の名前は自分で選べない場合が多く、頂戴したらイヤとは言えない。
やはり宗派によっては、日蓮様の日とか通字にすることもあるし、経典に出てくる教義上のありがたい文字だったりするからです。

Mは大昔の先輩の名前を継ぎましたが、語感が悪いので気に入っていないようです。
俺は何度も候補を出してもらって自分で選びましたが、生意気だと怒られました。

西洋魔術では、自分の信念とかモットーをラテン語にしたものを名前にしますが、署名には全部は書かず、頭文字だけにします。

 

 戒名、法名、法号、鬼号

院殿、殿、庵というのは、寺のひとつくらい建てて寄進しなさいヨということです(笑)

大名クラスになると、死後はなになに院様と呼ばれたり、生きてても住んでる場所で呼ばれてなになに院様だったり。

大名が死ぬと、妻は形式的な殉死として髪を少し切って、なんちゃって尼僧になり、生きてるうちからなになに院様になったりします。
再婚すると、次期君主に異父兄弟ができて、騒動の元になるからです。

降伏した戦国武将が、家督を譲って隠居して、もう政治にかかわらない、俗世から身を引く、というような意味で、形ばかり出家するのは、切腹のかわりです。

居士というのは金持ちの世帯主という意味で、男性の在家信者をさします。
つまり、死んでなくてもよく、在家で禅を学ぶ人や忍者の親分がしばしば名乗ります。
大姉、善男、善女も、在家信者のこと。

仏教では、戒律を受けることが僧侶になることだから、在家信者も死んだら戒名をもらって、なんちゃって僧侶として成仏させてもらうわけです。
死ねば誰でも仏様というのは神道とごっちゃになってる日本独自の仏教で、厳密には、死んだだけでは仏になれず、また生まれ変わって、いつまでも煩悩のままにグルグル輪廻していくだけです。

 

 

 

 齋号、武号、雅号、表徳号、醜名、名取り

武、茶、舞、書、画、歌、楽器類などをやってる人は、芸名があって、本名よりも通りがいい場合があります。

○字斎、一○斎、常○子、なんとか軒、なんとか堂、なんとか庵などと、特定のパターンを伝統的に続けていく場合があります。俺は師の本名から一字いただきました。

翁は、たしか30代だか、かなり若いうちから使っていいことになってます。

 

 襲名

名を襲う、つまり先代の名前を継ぐことです。

竹本彌太夫とか市川団十郎とかいうと、その地位や役職が何なのか説明がいらないし、本名を捨てることによって責任を負った公人になる。

これやっていくと、いろいろな現象がおきる。
たとえば小錦っていうのは小柄な人だったんですが、あんな立派な体格した外人さんが継いでしまうと、どう見ても大錦だから、強さだけでなく可愛げがあって好感を持たれるんですよね。

原さんが、「巨人の監督を襲名することになりました、優勝である目標にむかって云々」などと、記者会見でトンチンカンなことを言ってたので、一瞬、どんなシコ名だよと思いましたが、あれはただの言い間違えではなくて、長嶋さんの教えを継ぎジャイアンツの栄光と伝統を継ぐという、覚悟や責任の重さがああいうコメントになったわけで、べつに巨人ファンでもないこっちにもちゃんと気持ちが伝わってくるわけです。

名前よりも、その精神を継ぐことが大切です。
さもないと、先輩方の名と人生を汚すことになる。

 

 通称、略称、コードネーム、音標、暗号名

戦術上の別名などです。

戦闘中の会話は聞き取りやすい発音と短い文字数が要求され、また、基本的に筒抜けなので、作戦内容によっては、人数や役割が敵にバレないようにする必要が生じます。

また、無線は聞き取りにくいので、フォネテイクという言い換えがあり、PANDAと伝えるなら、ピーター、エーブル、ナン、ドック、エーブルとか、パパ、アルファ、ノヴェンバー、デルタ、アルファと言い添えたりします。

警察が「品川33ひ、飛行機のひ」とか言いますよね、ラジオの盗難車情報とかも。

JALをジャストアライヴと読む冗談があります。

二合については花押のページに書きました。

ゴクミ、ゴマキというような略し方、三井越後屋で三越、紀伊国屋文左衛門で紀文なんてやつですが、戦国武将の書状なんか読むと、松永弾正少弼が松少、山岡美作守が山美、結城山城守が結山なんて具合で、まるで暗号文です。

 

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