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 武士としての名前

 字(あざな)

武士としての正式な名前で、元服式の時につけます。
頼朝とか尊氏とか。

平安時代は、いろいろな理由で本名を隠すことがあって、かわりにこれを名乗ったから、そのなごりで「名乗り」ともいうことがある。

ファーストネームに関係のある意味の文字を使うことになってます。
同輩や友人が武士を呼ぶ時は、ファーストネームではなく字で呼ぶのが正式です。

これは変更することがよくある。俺も21歳の時に勝手に変えました。

4文字とは限りません。
ナリアキラとかタダヨなんてこともある。
渡辺家が漢字一文字だったのは有名ですよね。

訓読みが多いですが、音読みさせる場合もある。

死んだ人の字は諱とも言いますが、厳密にはちょっと違います。後述します。

 

 元服

冠婚葬祭の冠、つまり成人式ですが、15歳くらいでやります。
烏帽子をかぶり、氏神(土地神)に参拝に行く。

地方では現在でも元服またはそれにあたる通過儀礼はおこなわれてます。
いい風習だから、田舎の行事とバカにしないで、ぜひやってください。
今は少年犯罪が増えたり、子どもさんの体格がよかったり、普通の成人式があんまりバカっぽいので、もう高校生くらいから社会性を自覚したほうがいい。

地域によっていろいろですが、俺は満15歳のときで、それ以降は寺社の境内で遊ばず、前髪をたらさず、大人の神輿をかつぎ、親族会議で発言権や議決権が与えられ、玄関の表札を別にし、門限がなくなりました。

それと、扶持が毎月支給されるようになり、アルバイトも許されました。
それ以前は、駄菓子の買い食いなど自由にできる小遣いというものを全くもらっていなかったのが(必要に応じて買ってもらっていた。お年玉はもらったが収支報告が義務づけられていた。年賀ハガキも支給された枚数しか使わせてもらえなかった。修学旅行だけは規定金額を持たされた)、これ以降は、子分にジュースをおごったり、彼女に花を贈ったり、親には言えない交際費もあるだろうと、父のほうから言い出してくれて、俺はバイトだけで充分だったし、母は反対しましたが、父は断固として多めにくれました。

まず我慢をしつけるという育て方は、グレてしまった俺にはおすすめする資格がありませんが、元服後にそうなると事前に聞かされていれば、俺ももうちょっと堪えたと思います。

もちろん、都合いいことばかりではなくて、掃除とか洗濯とかゴミ出しとか、家族の分とまとめて一緒ではなくて、自分の分を別に自分でやらなければならなくなったりもしたんですが。

武術団体でも、高校生くらいからは一般(大人の会員)と同じ練習内容をやることが多いです。

 

 

 

 偏諱を賜る

元服のとき、親以外の社会的にしっかりした人に、後見人になってもらう。
これを烏帽子親というんですが、その人の字(あざな)から一文字もらうこともあります。

俺の時は檀家惣代の人で、文字はもらわずに号を似た意味の文字にしましたが、これ以降、何かの保証人というといつもこの人です。
この風習の便利なところは、どうせ親の言うことなんかロクに聞きゃあしないんだから、何かあると、この人の家に呼び出されて叱られました。

あるいは主君や師匠のお名前から一字頂く。

跡継ぎ以外の人に与える時は下の字を与え、もらった文字は上にして使います。
清正の正で正国とか。

 

 通字

その家や流派で、代々同じ文字を継いでいくという伝統です。
字(あざな)でやることが多い。
井伊家は直とか、真田家は幸とか。

これは偏諱を賜る場合と違って、下の字を継ぐ家もあります。
上の字は、主君がくださる場合に、変更せざるをえないからです。

俺は号の下の字を後輩3人に贈りましたが、ありがた迷惑ですとは言いにくいだろうから一人前になって独立したら使うなという約束で、つまり貸してるだけです。
別の後輩2人には、意味の似た別の言葉を、候補の中から選ばせました。

孫悟空の悟という文字は、悟空の妖術の師が、広大智慧真如性海頴悟円覚の12字を順に弟子につけていて、悟空が悟の番だったためです。

 

 生まれ年

通字じゃないほうの字は、年号から取ったりもします。家治、家正、家昭、家成なんてやれば、つながりがわかりやすいということです。

ファーストネームでも、俺の同級生には、「昭」「和」が入った名前は多いです。
また、万博を記念して「博」の字を入れるとか、皇室にお祝いがあった年だからミチコ、アイコなんてのも、はなはだ多い。

自分は自分だから、こういう名前の付け方は安直だし、同級生に何人もいて平凡だったりしますが、万博が最初のデートだったとか、妊娠判明の日にちょうど宮内庁発表があったとか、親御さんの思い入れがあるなら、これも記念です。

昔は、日清日露の戦勝記念で勝男とか、満州生まれで満生とかいう名付け方もよくありました。
新しい時代を担っていけ、ということを反映するわけです。

 

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