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 考え方の、方向がおかしい

どうしてこんなことになるかといえば、‘金産’というのが、言葉としてはまったくスコップ刃だからです。

三日月刃ならば、まだ、鎌の性質があるのかもしれませんが、スコップ刃を鎌として使うっていうから、話がおかしくなる。

いろんなことがごっちゃになってます。
スコップ刃と三日月刃、武器と民具、農具と工具、中国と日本、大昔とまあまあ昔、武術と小説、なにもかもゴチャゴチャだ。
これを分けて考えていくのは、気が遠くなりますねしかし。

肩甲骨の農具(スコップ刃)
    ↓
金属製の農具       →?→ ‘金産’という名前の金属加工の道具
(スコップ刃、三日月刃)     (スコップ刃、三日月刃)
    ↓              ↓ 
    ↓              ↓ 
‘金産’という名前の武器(スコップ刃、三日月刃)

どうして金属を加工する道具にも三日月刃があると推定したのかは、後述します。

 

 農具の地域性

『和漢三才図会』が面倒くさいのは、日本の本だからです。

日本では、農業は意外に早くから始まってたらしくて、たいていの農具も、木製だけど早くからあったらしい。
しかし中国は、日本や朝鮮とは土の質が違うらしくて、どのくらい深くまで簡単に耕せるかが、違うらしいんです。
朝鮮は朝鮮で、また独自のことをやってたらしいんですよねえ。

中国、朝鮮、日本では、使っている農具が違う。
中国以外の国の農具は、中国の武器とは関係ない…、そのへんがですねえ、なかなか微妙な問題があるんですわ。

蝸牛考なんていうくらいで、文化っていうのは都から遠いほど、古い時期のやり方が原形をとどめて現存してるものなんですが…。

そもそも「四大文明」なんていう認識が大ウソだったことがバレて久しく、黄河文明と長江文明は別モノです。
黄河流域ではアワやキビなどの雑穀で農業が始まっているのに対して、長江流域またはそれ以南では早くからイネを作っていた。

そういえば、こまかい話ですが、長江っていうのは揚子江と呼ばれているあの川のことで、俺は川全体を長江、河口付近を揚子江と言ってます。
人によっては同じ意味の言葉として使ったり、上流中流だけを長江と言ったりするようですが。

このあとのページで、中国南西部の少数民族の農具を御紹介することになると思うんですけど、それが本当に北京付近と交流がなかったのかどうかが、よくわからない。

それに、日本の水田っていうのは、どうも最初からノウハウが完成されていたようなんです。
試行錯誤してだんだんに発達していくんじゃなくて、いきなり最初から、高度な技術で田んぼを運営しはじめる。

日本では、豆は縄文時代から作っていた。雑穀もぼちぼち始まっていたから、稲も、陸稲だったら抵抗なくすぐに始めると思う。
しかし、「水びたしの泥の田んぼで水稲を作る」というのは、中国の技術がそのまま(朝鮮半島を経由せずに)輸入されたとしか思えないんですよね。

最近は科学分析をやるんで、土器にこびりついていた黒コゲの穀物からでもDNAがわかるので、日本の米は中国からいきなり来た可能性が高いというようなことが、よくNHKスペシャルかなんかでやってます。

だから、中国周辺国の農具を検証することによって、タイムマシンのように、中国の古い時期の農具がわかるんじゃないかと。外堀から埋めていこうと。
というのは、不勉強なもので、中国の農具のことを俺はあんまりよく知らないからです。

このコンテンツも、そろそろ着地点と言いますか、だいたいの結論が、俺の頭の中にはもう用意してあるんですけど、それは、最後の最後まで、話が横道にならざるをえない。

 

話のキリが悪いので。今回はここまで。
次のページでは、ものすごーい図をお目にかけます、フフフ。
それを見ていただければ、ちょっと納得していただけるはず。

 続く→ 

 

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