6 ‘金産’のたぐいに、こういう刃が使われている例を見たことがない このような内向き、または段がついた外向き(魚のしっぽ型)の刃が、「月牙‘金産’」や禅杖についているのを見たことがありません。 もちろん、武器も漢字も、その由来というものは複数系統あるほうが自然だから、もしかしたら、かつてスクレイパーから生まれた‘金産’と、鎌から生まれた‘金産’があって、それがたまたま似た形だったりして、統一されて現在の‘金産’になったのかもしれません。 あるいは、スコップ刃のほうがスクレイパー系で、三日月刃のほうが鎌系で、それを組み合わせて両頭にしたという可能性もあるかもしれませんが、この問題はちょっと持論があるので後述します。
7 刃が小さい 『三才図会』では、長さを揃えて描けばいいものを、武器によって、長めに描いているものと、短かめに描いているものがあります。 内月牙・外月牙は、柄の長さに対して、刃がかなり小さめに見えます。
8 鎌に、そっくりなものがある 関係ないとは思いますが、ちょうどこのくらいの鎌が、日本にあります。双鎌。神道夢想流。 △ 4寸 中国には「戈」があり、秦代にはほとんどT字だったから、‘金産’以外の武器でも、こうなる可能性は捨てきれない。 つまり、スクレイパーでもなく鎌でもなくシャヴェルでもない、別系統の武器が、たまたまこういう形になることもあるはず。
9 ‘金産’は謎が多いから、軽々しく結論が出せない 『少林十八般兵器』が、「達磨‘金産’」、「方便‘金産’」、「如意‘金産’」、「魯侠‘金産’」、「乾坤‘金産’」…と種類を列記している中に、「月牙‘金産’」も挙げられているからには、名前や技法が違えば、武器の形状も違うという可能性がある。 今のところ、「方便‘金産’」はスコップ刃と三日月刃、「魯侠‘金産’」はスコップ刃と石突という武器でおこなっている例を確認しました。 それ以外の‘金産’がどんなものか不明であるうちは、「月牙‘金産’」に似た武器であっても、「月牙‘金産’」と決めつけるのは早い。
10 そもそも、『三才図会』自体が、信用ならない 文献を引用するよりほかに手がかりがないという状況で、文献を疑ったら、何も前に進まないですけど。 二郎刀は、三尖両刃刀という別名があり、その名前の由来になった3つの突起が尖端にある、と今日では言われてますが、『三才図会』の図では中央しか尖っておらず、左右は、なんと丸まっています。 また、今日では棍と呼ばれているものが「提棒」となっており、棍の尖端に輪釘をつけたようなものが「棍式」となっているなど、『三才図会』の記述は不可解な部分がある。 『三才図会』は、動植物や器物や天文や人物など、多岐に渡る事典なので、武術の専門家が武術だけを述べたものではないから、その分、専門的に深いわけではない一面もあると思われます。
11 「天蓬‘金産’式」も謎のままである 『三才図会』には、ほかに、天蓬‘金産’式という武器が載ってます。
この11が一番大きな問題ですが、それを次回。 |
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