←もどる 

 

 三才図会と違う

『三才図会』のほうでは、岩波版『西遊記』の図と違って、内月牙・外月牙には石突があり、外月牙の刃がケラ首までツライチつながりになっていません。

『三才図会』は、前述のとおり中国の百科事典です。
俺の手元に全部はないのですが、後述する『和漢三才図会』など、いろんな本に、内容が転載されている。
たとえば武器の図ならば、『図説中国武術史』の巻末に、だいぶまとまって載ってます。
それを見ると、内月牙・外月牙の図には、石突が描かれているんです。

   岩波版『西遊記』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
                                  ┃
                                  ┃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 

   『図説中国武術史』『三才図会』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┓
                             ┃    ┃
                             ┃    ┃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━┛

     ずいぶん観念的だが、なんらかの金具をかぶせてある印象 ↑

『三才図会』といっても版がいくつもあるだろうから、俺の知らないものなのか。
『三才図会』以外の、何か珍しい中国文献を入手なさっていて、それに従ったのか。

最新の考証を経ている岩波版『西遊記』が、こういう図を採用しているからには、俺が見ている『三才図会』のほうが間違いということかもしれません。

前述のとおり、月牙‘金産’に石突があるかないかは、『西遊記』劇中において重要なことです。
あったとしても、これじゃ尖っていないんですけど、突くのであれば、ないよりマシだ。

この武器のことは、これが掲載されている『三才図会』や、その元になった『武経総要』を、ちゃんと原文で読んで、各版の異同も調べてから、じっくり書くつもりだったので、いずれまた時間ある時に。

 

次回は、この内月牙・外月牙が何なのかについて、ひとまず。

 続く→ 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送