←もどる 

 

 『学研漢和大字典』の‘金産’

漢字辞典には、たまーにですが、‘金産’の図が載ってます。
ありがたいことです。
俺も仕事でDTPやるから、図を入れたくてもスペースがなかったり、入れたくなくても隙間あいちゃったりっていう苦労は少し知ってるので、よくもまあ、こんな日常使わないような漢字の、知りたがる人も少ない道具の図を、わざわざ入れてくださったものだ。

まず『学研漢和大字典』。
なにに拠った図か、出典がわからないので、信用していいかどうかがわからない。
しかし俺が見聞きする限りでは、この漢字辞典は評判がよくて、教員とか学者さんの間では『大漢和辞典』よりも人気があるくらいです。

  柄は短かめ 
  この図は横にして描かれているから、スペースの都合で
  柄の長さが描けなかっただけという感じにも見えるし
  あるいは全体が太めか?

 □□□
 □□□□□‖□□□□□□□□□□□□□□□□□□
 □□□  
                       石突はない

御丁寧に同寸で側面図も描いてくれてます。
さすが学研さん、ダテに「科学」「学習」を立体編集にしておらん。

   あきらかに袋槍形式

 <□□□□‖□□□□□□□□□□□□□□□□□□

   刃先が反り返っていないことに注意(この問題は後述します)

刃を拡大します。

 ■■■■■■■■■■■
 ■□□□□□□□□□□□□■   
どう見てもスペイド、間違いない
 ■□□□□□□□□□□□□□□■
 ■□□□□□□□□□□□□□□□■
 ■□□□□□□□□□□□□□□□■
 ■□□□□□□□□□□□□□□□□■
 ■□□□□□□□□□□□□□□□□■■□■□□□■
 ■□□□□□□□□□□□□■□■□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□ 〜
 ■□□□□□□□□■■□□□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□ 〜
 ■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□ 〜
 ■□□□□□□□□■■□□□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□ 〜
 ■□□□□□□□□□□□□■□■□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□ 〜
 ■□□□□□□□□□□□□□□□□■■□■□□□■
 ■□□□□□□□□□□□□□□□□■
 ■□□□□□□□□□□□□□□□■
 ■□□□□□□□□□□□□□□□■
 ■□□□□□□□□□□□□□□■
 ■□□□□□□□□□□□□■
 ■■■■■■■■■■■

 

 『角川大字源』の‘金産’

続きまして、『角川大字源』。
これは主観が入っていなくて、いちいち出典を明らかにしつつ先例を分類・列記するだけという、とても誠実な書き方をしている辞書だから、図も信用できると思うのですが、これまた出典不明、
なんだか珍しい図
船のオールのような。

しかし、これは武器としての‘金産’のスコップ刃に、だいぶ近いですよね。

   なぜか左右非対称 

 □□                           石突はない
 □□□□□
 □□□□□□|□‖□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
 □□□□  

   袋槍形式かどうか       こっちを上にして描かれている→   

刃を拡大します。

   ■■■
   ■□□□□■
  ■□□□□□□□□□■    こういうフライ返しがありそうだ
  ■□□□□□□□□□□□□■
 ■□□□□□□□□□□□□□□□□■
 ■□□□□□□□□□□□□□□□□□■
 ■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■       ■ 
 ■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■□■□■□□□□□ 〜
 ■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■□■□■□□□□□ 〜
 ■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■□■□■□□□□□ 〜
 ■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■      ■ 
  ■□□□□□□□□□□□□□□□□□■        
  ■□□□□□□□□□□□□□□□■           ↑
  ■□□□□□□□□□□□□■         口金のフチらしい
   ■■■■■■■■            鉄の輪をハメたようにも見えるが

 

 『大漢和辞典』の‘金産’

大修館書店『大漢和辞典』は、俺は持ってません。
なぜなら、大判でブ厚くて13冊セットにもなるからですが、にもかかわらず、教員やってる友人知人には持ってるのが3人もいるから、日本一なのは規模だけではないと思います。

人様のを見せてもらったところ、『角川大字源』の図とだいたい同じ図でしたが、左右対称になっていて、(農政全書)とある。
『農政全書』から転載した図らしい。

『農政全書』は、いろんな農業技術を網羅した本で、著者は徐光啓、明の時代。
俺は読んだことはありませんが。

‘金産’という武器が使われた時代が明だというのであれば、同じ時代に、同じ名前で、同じ形状の農具があったということだけは確実になったわけです。

 

この、船のオールのような形、これが‘金産’だっていうのなら、なーんのことはない、一気に謎が解けちゃうんです。
それを次回。

 続く→ 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送