言葉は変化していく 漢字辞典は、漢のころから作られてます。 そういう大昔の学者さんたちが書いたものが、現代のすべての漢字辞典の元ネタになってるわけです。 なにしろ、『説文解字』ができてから100年以上たっても、となりの国では、まだ邪馬台国をやっていた。 そしたら漢文ってひとくちに言ってるけれども、これは古語でしょう、漢文の古文、昔の中国語。 中国語は、地方ごとに別の言語じゃないかっていうくらいに発音が違ってても、文字さえ見ればとりあえず意味は通る「表意文字」ということだから、あんなバラバラな民族でも統一王朝や中央集権をやっていられた。 昔の辞書がそのまま通用するか、っていう問題があるわけです。 そこらへんが外国文学を訳す学者さんのすごいところで、前後の文脈の流れとか、筆者の意図とか、作品の雰囲気とか、その時代や地域や民族の風習とかで、適切に、臨機応変に、最もドンピシャの表現を検討なさった上でお書きになってる。
使い分けということ 日本語も、ヤマト言葉なんて言ったって、東日本や九州の人は口がきけなかったわけじゃなし、外国との交流も大陸方面ばっかりじゃなくて、黒潮で南から入るものだってあるんで、たとえばハナ(尖端、突出、最初)とか、イッソ(少しも〜でない)とか、あきらかにタガログ語やパイワン語など南方系との関連があって、長い年月をかけてだんだんにできあがってきたわけですよね。 漢字も、4千年前にやってた絵記号が、だんだんに整理されていって現在の形になったわけです。 ある人たちはこう書いてあらわし、別の人たちはこう書いてあらわしていたが、結局、同じものをさしていたとか。 同じ機能の武器でも、北の人たちと南の人たちでは、違う道具を使っていて、そのそれぞれをあらわす漢字が別々にあったが、国家が統一されたり、もっと便利な新型が生まれたりして、今では誰でも同じ道具を使っている、しかし漢字はもう作っちゃったから、同じ道具をあらわす漢字が2つになっちゃったとか。 斧の刃の、柄をハメこむ穴のことを銃と言っていたら、鉄砲が発明されて、形が似てるんで鉄砲のことを銃と言うようになったり。 しかし、そこまで使い分けない人も多いし、中国にいなかったとは言わせませんよ、4千年もやっていれば。 わが国も現代では、チョー、カワイイ、ヤバイ、ムカツク、キモイくらいで、だいたい用は足りてしまう。 ましてや、学者さんが武術やってるとは限らないし、武術家が文章うまいとも限らないから、‘金産’を、言葉の意味という切り口で調べてみてもしょうがないっていうことはわかってます、わかってるけど一応です一応。
たとえば このコンテンツでは、石突のことは石突と表記していますが、意味を限定しないために、この字を使ってます。 一文字で石突をあらわす漢字も、あることはあるんです。 これらは、形として尖っているか、刃が折られた場合に石突を刃として使う意識があるか、あるなら、刃と同じくらい長くしたり鋭くしてあるか、その武器の刃は仕込になっているか、鎖分銅などが飛び出す仕掛があるか、長柄の石突なのか刀剣の鞘尻なのか、ただの杖や傘の尖端なのかなどなど、意味が違う。 だから、このコンテンツくらいだったらいいんですけど、もっと複雑な話をする時には、たとえば各国の各時代の長槍による対騎兵戦闘の比較を、文献を引用しながら推定するなんてことになったら、 どんなに面倒でも、そりゃ道具の歴史と定義の話をやってるんだから、書き分けなければならないところは書き分けます。 このコンテンツは読者を限定していないから、武術やってない方も御覧になるので、専門用語を使うならば、その用語からいちいち御説明しなければならない。 俺自身にもまだよくわかってない話を、その武器の名前も形もわからないうちから、変換できない難字をダラダラ並べて、偉い人の難しい文章を引用しながら、ただでさえくどい俺の文章で、できるだけ厳密に書いていこうっていうんだから、まどろっこしくて、よくみなさん読んでくださっているなあとホント感謝してます。
次回は、「削る」ということについて。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||