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 スコップ

スコップは、杓子(しゃくし)、柄杓(ひしゃく)です。オランダ語。

セメントとか穀物とかピッツァとか、チマチマしててバラバラになりやすいものを、すくう道具だから、切り割るという用事はないので、刃部は一点で尖っておらず、ほとんど一直線に平らにしてある。
いくらか円弧になってることもあるかもしれないが、対象物に突き刺すというより、対象物の下に差し入れるだけ。
刃先が平らであれば、壁のすみっこまで逃さないし、カドがあれば乗せる面積が広くなるから、たくさんすくえる。

スコップも、石炭などの量をあらわす単位になっていて、スコップひとすくい分を「スクープフル」「1スコップ」などと言う。
このあとのページに出てくる、「十能」っていうのが、石炭用のスコップです。

古代ローマにスクループルム、スクリープルム、スクループルスなどと呼ばれた質量の単位があって、ポーランドではスクループル、ノルウェーではスコールプン、フィンランドではスコールプンドなどと言っている。
これらは、いずれも0.5キロ前後または1キロ前後だから、語源的には「小石ひとすくい、ポンド法において」という雰囲気だろうと思うんです。

オランダ人の知り合いがいないので発音わかりませんが、たまに渋谷駅前でチューリップの球根を配ってる外人さんたちがたぶんそうだと思うので、今度みかけたら聞いてみます。

シャヴェルもすくうんだから、シャヴェルはスコップに含まれるわけです。
すくう道具「スコップ」に、切り割る機能も追加したという、特殊なスコップがシャヴェル。
少し違うたとえですが、普通のスプーンと、先割れスプーンくらいの関係です。
今どきのみなさんは、先割れスプーンなんて御存知なのかねしかし。

うちの父は、シャヴェルのことを「剣型スコップ」、上の写真のようなスコップを「角型スコップ」と呼んでます。
さっきから御覧いただいてる写真も、父が使ってるやつ。

アウトドアでは、シャヴェルをよく洗ってフライパンとして使うことがあるんですが、これはシャヴェルであっても「スコップ焼き」という料理名になってます。
フライパンとして使っている分には、土を切り割る用事はないので、刃先がどうであろうと関係なく、肉が乗っかれば何でもいいからです。

ところで、スコップはすくうだけで掘らないのかっていうと、それは土壌によります。
砂漠の砂のように、乾燥してパラパラした土砂の、表面だけだったら、切り割っていかなくていいから、スコップでかまわない。
じつは日本にもコスキというスキがあって、これはまったくスコップ型をしている(後述します)。

また、スコップは英語読みすればスクープ、いわゆる特ダネのスクープ、「隠された情報を、えぐって、ほじくり出して、ライバルの報道機関を出し抜く」という動詞になってます。

 

 ‘金産’は?

こういう話を書いていると、検索でいきなりこのページへいらした方が、ここだけを見て、この人は一体何をやってるのか?と思うかもしれないから書いておきますが、このコンテンツは『西遊記』の武器を考察しているところでして、光が当たらない分野の重箱のコーナーを、鋭くえぐって、ほじくり出して、スクープする…はずだったのが、収拾つかなくなってきた今日このごろというわけで。

それでですね、武器の‘金産’の刃が、シャヴェルなのかスコップなのかと言えば、少林寺のものがクレセントシャヴェルと訳されているのだし、もし墓穴も掘るのであれば、そりゃシャヴェルです。

しかし、このコンテンツでは、「スコップ刃」という言い方で統一してます。
シャベリ刃だのチョベリ刃だの言いにくいということもですが、このタイプの‘金産’の
刃が、形状としてはスコップ型だからです。

先細りではなく末広がり、ホームベースでいうとキャッチャー側ではなくマウンド側を刃にしていて、刃先は山形ではなくほとんど一直線に近いか、ときに全体がまったく方形に近く、尖っているとすれば左右両端のカドが尖っていて、技法も、俺が見る限りでは回して側面を当てることが意外に多く、刃を立てて(面を横に向けて)使っていることが多い。

刃線を広くとって左右が返って尖っている、これはあきらかに、硬い物の表面をこそぐようにして削っていく刃、スクレイパーだと思います。
‘金産’のもとになった道具は、それで土を掘るとしても、それもまた、本来はスコップなんです(後述します)。

どうしてもシャヴェルだとすれば、三日月刃こそがシャヴェルではないかと思うんですが、それは「太刀」の話のときに後述します。

 

まず、文字の話を先にやります。
たかが個人サイトのオマケコーナーといえども、世間様にウンチクを申し上げるからには、基礎文献のカード作りくらいやっとるわ、というのを次回お目にかけますんで。

 続く→ 

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