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 鎬地がある?

『武器と防具 中国編』の図では、‘金産’の三日月刃は、鎬造になってます。
つまり、だいぶ厚みのある鉄板から、刃の部分を削り落として作ったようなやつ。

       段差というかカド(鎬) 
           ↓   
  平ら(地)    ↓  ななめ(研ぎ、刃)
  ┌───────┐↓┌──────┐
           
  ■■■■■■■■■

  
■■■■■■■■■■■■
  ■■■■■■■■■■■■■■■
  ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 刃先
  ■■■■■■■■■■■■■■■
  ■■■■■■■■■■■■
  ■■■■■■■■■
  

図では裏側が見えないが、もし和包丁みたいな片刃だったとしても、図で見えてる側には鎬地がある。

  ■■■■■■■■■     
  ■■■■■■■■■■■   
  ■■■■■■■■■■■■■   
  ■■■■■■■■■■■■■■■  
  ■■■■■■■■■■■■■■■■■  刃先

 たとえば、こんなような。

‘金産’の三日月刃が、明確にこうなっている図は、ほかに見たことがありません。

 

しかも、この図によると、刃と柄が、同じ厚みです。
刃の厚みが6センチっていうのは、どう考えても理由がわからない。

             ツライチつながり   
                ↓
 〜 ■■■■■■■■■■■■■■□□    刃先   ↑
 〜 ■■■■■■■■■■■■■■□□□□       ↑
 〜 ■■■■■柄と口金■■■■■□□刃□□□□  6センチ
 〜 ■■■■■■■■■■■■■■□□□□       ↓
 〜 ■■■■■■■■■■■■■■□□         ↓

もちろん、だからこそ鎬造にしなければ刃が作れなかったということでしょうが、珍しいことです。
もしかして、裏側はえぐってあるとか?

 〜 ■■■■■■■■■■■■■■□□      刃先     ↑
 〜 ■■■■■■■■■■■■■■□□□□□□□        ↑
 〜 ■■■■■柄と口金■■■■■             6センチ
 〜 ■■■■■■■■■■■■■■  刃            ↓
 〜 ■■■■■■■■■■■■■■    図で見えない裏側   ↓

俺が今までに見た中国武術の武器の刃で一番厚いものは、ミネ側で8.5ミリです。

 

 普通は、こうなっていると思うのだが

俺が知る限り、中国武術の刃はたいてい、鎬があったとしても鎬地はないか、棟から刃先へゆるいカーブになっている平造か、刃先だけわずかに切刃です。
つまり、厚みのない鉄板を切り抜いて作ったようなやつ。

   棟から刃先へずっと斜め
  
┌───────────────┐

  ■■                実際はこんなに厚くないが
  ■■■■■■
  ■■■■■■■■■■■■
  ■■■■■■■■■■■■■■■■■ 刃先
  ■■■■■■■■■■■■
  ■■■■■■
  ■■

   ここからここまで平ら     刃先だけ角度をつける
  
┌──────────────┐↓
                  ↓   たとえば
  ■■■■■■■■■■■■■■■\    果物ナイフのような
  ■■■■■■■■■■■■■■■■\
  ■■■■■■■■■■■■■■■■■ 刃先
  ■■■■■■■■■■■■■■■■/
  ■■■■■■■■■■■■■■■/ 

諸刃でなければ、こういうノッペリしたのが中国武術の刃だと思うんですが。

 

もしかすると、この図の珍しい部分はすべて、ただ単に絵がヘタクソだっただけか、深く考えずに描いているだけのことかもしれないですが、しかし、それこそ根拠もないのにそんな失礼なことは決めつけられない。

次回は、「月牙‘金産’」の図。

 続く→ 

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