柄が猛烈に太い? 前ページで御紹介した、『武器と防具 中国編』の、図1について、特徴的なところを書きます。 この図は、縮尺スケールを添えてくださっている。 ありえないものが本当にあるのが武術の世界なので、なにごとも常識や先入観で決めつけてはいけないとは思うし、わざわざ縮尺スケールまで添えて製図するってことがどういうことかは、俺も出版をやる者のはしくれだから、よくわかります。 しかし、こんな太い柄にする理由が、どうしても思いつかない。 この図は3メートルのでっかいやつの場合ですから、普通サイズの場合、全体的に縮小なのか、つまり刃や柄まで小さくなるのか、それとも、刃の大きさや柄の太さは変わらずに柄の長さだけが短くなるのか、そのへんもよくわかりません。 武器の原則として、柄は長くなるほど細くなる、柄が長いほど刃は小さくなるっていうのが一般的です。
柄がツルツル? この図によると、‘金産’の柄は黒光りしてます。 どうして、わざわざ、こんな使いにくい表面仕上げになっているのか、理由がわかりません。 この手の武器は、しごいて繰り出して使うのか、だいたいいつも同じ場所を握るのか、判断が難しいこともあります。 原作の挿絵では、片手でギリギリ端を持っていたりするんですが、それならなおさら、すべっては困る。
房は白? この図によると、房はいずれも白っぽい感じに描かれています。 少なくとも、赤ではないようです。 中国武術の房は、宗教的理由によって、黄色でもかなり濃い黄色、クローム系(オレンジに近い黄色)にするのが筋なので、この図のような見え方ならば、黄色でもないと思います。
浮き彫りの地をヘアライン仕上げ? この図によると、スコップ刃の鎬地を平行に磨いてあって、その上に浮き彫りが出ている。 (断面想像図) 浮き彫り 浮き彫り 浮き彫りは梨地か艶消しらしい ■■ ■■ しかし、この本では他のページの図もすべて、定規の平行線タッチで陰影をつけています。 この図も、鑢目が軸線縦目という意味ではないと思われます。
次回へつづく。 |
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