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 禅杖は別名?

『武器と防具 中国編』の‘金産’の記述、こんなことも書いてある。

『‘金産’は僧侶に愛用されたところから禅杖(ぜんじょう)とも呼ばれます。』

この本には、禅杖の定義がもうひとつ、あとのほうに書いてあるんですが、それは後述します。

スコップ刃と三日月刃が両方ついているものが‘金産’で、その別名が禅杖であるかのように書いてある。

それが間違ってるっていうことじゃありませんよ、根拠が、わからないんです。

うちのコンテンツでは、スコップ刃と三日月刃が両方ついたのが「禅杖」だ、という解釈で今までやってきました。
なぜなら、中国人で、1942年生まれで、少林寺の関係者で、いろいろな武術団体の役員をやっている武術家が著した、『少林十八般兵器』という本の中で、禅杖という武器はこういう形状だと図示されているものがそうなっていたからであり、この人の経歴も含めて情報が正しいかどうかはわからないが、信憑性がこれと同等以上の禅杖の図をほかに見たことがないからです。

不勉強といえども俺は俺なりに、一番マシな情報をみなさんに御覧いただこうという熱意だけはあります。
ちゃんとできてるかどうか、わかりませんが。
その結果、こういう仮説にたどりついた。

ところが、『武器と防具 中国編』は、違うことが書いてあるわけで。

『武器と防具 中国編』の著者は、俺なんかと違って、もっとたくさんの情報を集め、それらを総合的に判断されて、この結論を出しておられると思うんですけど、その元になった資料を俺は読んでいないし、読みたくても入手してないので、わからないんです。

俺は「禅杖の技法」っていうのは見聞きしたことがなくて、あるのはすべて「なになに‘金産’」という題名の套路です。
だから、禅杖は別名だと言われてしまうと、たしかにそんな気もするんですよねえ。
たとえば、居合という武器はないし、日本刀という武術はないですからね。

それに、禅杖っていうのは武器に限らず、いろいろあるらしいんです。

 

 禅杖はほかにもある

じつは警策も「禅杖」と呼ばれているんです、別名として。
警策の話は、二之丸の坐禅のページを御覧ください。

しかし、警策が禅杖と呼ばれる場合は、割った竹の先を布でくるんだもので、突くらしいんです。

俺は細長い板で肩を叩かれるのしか経験ないし、それはつねに警策と呼ばれていたので、くわしいことは全くわからないんですけど、中国では突くことがあるらしい。

漢字辞典で「禅」を引いて、「禅杖」という熟語がある場合(ない場合も多いのだが)、‘金産’系統の武器のことが載っていたためしはなくて、禅杖の説明としてはたいてい、この警策のことが載ってるんです。

これって沢庵和尚あたりを経由して日本の武術に取り入れられて、竹刀やタンポ槍になっていったんじゃないかと思って、これはこれで以前から調べてるところなんですけど。

俺は未見ですが『槍術総論』という本に、『竹刀とは稽古鎗をいへり』と書いてあるという。
竹刀という言葉は、最初は稽古用の槍をさしていたらしい。
見つかっている資料の上では、剣術よりも槍術のほうが、早くから「竹刀(と呼ばれる道具)」を使っていた。
竹刀は、叩くよりも突くイメージだったようなんです。

 

禅杖が別名だとすれば、どうして「禅杖」なのか。
俺も仮説を持ってるので、次のページで。

 続く→ 

 

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