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 武術というものの性格に起因する問題

伝統武術は、あまり散打(試合)をしないので、強いのか弱いのか、よくわからないことがある。
それにしても、あきらかに気迫や人徳が感じられなくてヘタすぎるのは絶対にわかる、と自負していると、「弱そうに見えて、じつはめちゃくちゃ強い人」というのに出会う。
「弱そうに見えて、実際、弱い人」っていうのも、もちろんいる。

それで、「自身は強いけれど、ワケわからないことばかり言う人」と、「弱いくせに、理論とか知識だけはしっかりしている人」というのがいる。
つまり、理論をいいかげんにしてハチャメチャだから、だからこそ相手にしにくい選手なので勝ち続ける人と、理屈ばかり追いかけていて、そんなことだから弱い人ということです。
普通は、その中間くらいでいくんですけど、それは「凡人」と言われる。

だから、情報の正確さということでは、弱い人から聞いたほうが確実な場合がある。

しかし普通は、強い人に聞いてしまう(実績があるから)。
すると、いわゆるひとつの野性のカンみたいなことを言われてしまうので、それは、あんたは天才だからそれでできたかもしれないが、理論化・体系化して誰もがそれをやれば上達できるというものでもなかったりする。
それでも実際強くて地位も名誉もあるから、気分次第でその場かぎりで言ったことが、「巻頭特集、あの強剛選手がついに明かした試合に勝つためのちょっとした工夫」とかなんとか、発言がひとり歩きしていく。

さらに、詐欺がある。
ろくに継承していないくせに指導者になってる人も多くて、これは秘密の奥義だから普通のやり方とは違うとか言われると、ああそうですかそういうものですかと納得してしまって、疑いもしない。

未公開の奥義だ、と言われると、なにしろ未公開っていうのは誰も知らないのだから確かめようがなく、出版社にも判断がつかないので、でっちあげられた架空のデタラメがそのまま本になってしまう。

しかも、西洋スポーツ科学だったら絶対にありえないようなことが、事実実際におきてしまうのが、東洋の武術の恐ろしいところでもある。
こっちとしても、そういう
ワケがわからない神秘的なところに惹かれて入門してるので、もともと間違いにひっかかりやすい心理状態になっている。 

 

 伏魔殿

情報を扱うだけでも大変で、それが武術の分野だっていうだけでも大変なのに、それが外国の異文化で、しかも、あの中国なんだから、一筋縄でいくわけがない。

中国武術の本っていうのは間違いが特に多い分野で、現地の専門家が出した本でさえ、油断がならないんです。

それは、はなはだ奥が深いものを扱っているからでもある。
中国は、歴史も土地も民族も宗教も頭数も、多種多様でスケールがでっかい国だから、規格があるように見えても例外が無数にあり、知ってるつもりでも未発見のものが次々に出てくる。

著作権侵害のことも最近ニュースになってますが、そんなの中国武術では大昔からやってたことで、人様の本を題名と著者名以外まるごと一冊パクった海賊版とか、有名人の名を借りて赤の他人が勝手に書いた偽書も多くて、しかも罪の意識がまるでなく、なおかつ、被害にあった側は偉人すぎて、怒らないし相手にしないので(そういう悟りきった大きさもまた中国人のすばらしい一面なんですが)、いいかげんなものが野放しのままなんてこともある。

1964年ごろ北京で出版された教科書『近代中国略史』には、朝鮮半島、インドシナ半島、ビルマ、アムール川、イリ川、コーカンド、コムソモリスク、ハバロフスク、ウラジオストク、カムチャッカ半島などが、ちゃっかり中国の領土になっている地図が載ってたそうです。

中国にも、ものすご〜〜〜〜〜くいい人がたくさんいるってことはもちろんですが、1万人に1人、めったにいないような凶悪で卑怯な人も、あれだけの人口では、分母が多いから絶対数が多いわけで。

スケールがデカいと言えば、誇張のスケールもケタちがいにデカい。

秘密主義だから、事実を隠して、わざと違うことを言ってる場合もある。
日本の武術でも、悪用されかねない危険な部分を隠すくらいはしますが、中国武術の場合、わざわざデタラメなことを言って、真実から遠いほうへ誘導するという、積極的な隠し方なんです。

こんなこと言いたかないけど、中国武術は、在日中国人の犯罪集団とつながってる部分もある。
これは俺が実際に見聞きして、警察沙汰にもしたことがあるから、断言できます。
武術というより、殺人術という要素がある。
表向きに公称してることと、内輪だけでやってる裏側とがある。
また、くやしいことに、そういう犯罪的な所のほうが、本格的に実戦的なことをやっていたりする。

ただでさえ、こういう怪しげな情報を、さらに日本人が聞きかじってきて扱うのだから、どんどん情報がゆがみます

これは未公開の奥義だ、と言われると、日本の武術だったら系譜や技名や本数で、それはデタラメだと予想がつくこともあるんですが、中国四千年の神秘だとか、四川の山奥で村民だけの間に伝わったとかいうのは、なかなか判断つかない。

 

 続く→ 

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