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 市川定春氏 『武器事典』 (1996年)

天群雲剣に「魚の背骨」がない。

小烏丸が、現存するものと全く違う。
注意力散漫な人が、『伊勢貞丈家蔵小烏丸太刀図』を見ながら描けば、こういう図になることもあるかもしれないが、腰反りやハバキがなく、咬出鍔のようなものをつけており、伊勢家のものとも違う。

打刀を腰に差すことを「佩く」と書いてある。

打刀に目貫がなく、身幅の半分近くが鎬地。

打刀を帯びた図が載っているが、大小逆に差しており、栴檀鳩尾があって佩楯がなく、草鞋の紐が珍しい結び方で、緒のない脚絆をつけている。

無反に赤木造と鍔をつけたような図が、「脇差」として掲載されている。

日本刀の図がすべて、横手筋がいちじるしく斜め。

粢鐔に勾金がない。

共柄小柄のようなものを掲載しているが、小がたなが珍しい姿をしている。

日本の長柄武器すべてに、蕪巻がない。

鎌槍や大身槍や長柄槍でも、すべて直尻になっている。

鎌槍の上刃下刃の優劣は、文献には明解な答えがないとしている。
追風、雪柳、当たり越し、引き斬り、鍵槍に代わる牛角爪など、古文献に書かれている内容は明解でないという意味?

筑紫薙刀に三頭がある。

振杖の図と説明は宝山流だが、被筒ではなく、棒の芯をくりぬいて収納していると説き、しかし切子玉ではない。

すべての鎖の図に掟輪がない。

打込に藁縄がなく、重量がなんと2〜2.2キロもあるという。

刺叉の穂先が肉厚、というか雁股槍になっている。

突棒の葉に鎬がある。

袖搦の小鈎の返が小さく鋭い。

鎖鎌の図が、直次に似ているが護拳がなく、太刀打に鋲がない。

一角流手棒に、柳生心眼流の鉤と猪目紐付環をつけたようなものが、十手として載っている。

マロホシの手溜蝶番が2つしかない。

脇差拵付鉄刀と鉢割が、同じものとして扱われている。

鉄刀は、「太刀の形式と大差はありません」「用い方は刀と変わることなく」と書いてあり、用法に矛盾する。

縄ひょうの穂先が薄く、両刃をつけてあり、環が一切なく、縄の逆端に錘をつけている。

中国の槍の、穂先と、その装着法が、たいへん珍しい形式になっている。

戟の図として青銅末期のものが掲載されているが、その戈部も両刃であるとしている。

護手甲の月牙が、外側にしか刃がついていない。

抓子棒に鎬があり、全縁に刃がついている。

戚継光の部隊では「狼筅は常に先頭」だったと書いてあり、『紀効新書』の鴛鴦陣に矛盾する。

峨嵋刺の図に輪の回転機構がない(文中では輪が回転することは述べておられる)

 

 続く→ 

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