杖じゃなくて、ムチなのだが… 鞭。 武器としての鞭は、軟鞭と硬鞭があり、インディジョーンズみたいなロープ状のやつと、鉄の棒みたいな撲殺用のやつですが、それとは別に、日本には指揮用の鞭があります。 時代劇で町奉行が出動する時によく持ってるやつ、見た事ありますよね? 長さは各種あり、だいたい3尺前後、しかし長いものは5尺を超えるのもあり、名前は鞭でも、まるっきり杖に見える。
謙信公の鞭 越後上杉軍のノウハウは、後世まとめられて、軍隊の指揮方法の流派になってますが、上杉謙信を元祖とするものと、上杉謙信の軍師である宇佐美良勝を元祖とするものと、両方を元祖にしているものがある。 俺の手元にある伝書には、青竹を使ってた理由の記述はなさそうです。 謙信公を元祖にする流派、または元祖のひとりに含む流派で、一番重視される教科書、澤崎景実『武門要鑑抄』には、■(手へんに毛毛毛。さいはい)、采配、厳鞭といった言葉が出てくるほか、法螺貝の使い方について述べた箇所で、『出陣前に毘沙門堂にて御修法』することが書かれている。 また、澤崎景実『武者草鞋』の「具足着様」に、 今のところ、そこまでであり、それしかわかりません。 上杉軍の統率の良さは、例の「鞭声粛々…」というやつなんで、鞭を好むんじゃないかとは思います。
宇佐美先生の鞭 謙信公には、宇佐美良勝(初期の名前は定行、このほうが通りがいい)という軍師がいて、謙信公のすぐれた戦術は、結局、この人から習ってたわけです。 この宇佐美系で一番重要な教科書『武経要略』というのがあり、孫の宇佐美良賢が書いたとみなされている。 『所謂鞭者非尋常之器物、所以示将意而使衆者也。惟直惟円、惟稜惟節、実比武之形象也。苟非庸人之所用矣。是雖非三尺之鋒刃、而使数万之衆属指揮、恰如馬之随鞭而疾馳也。其長二尺八寸。用白膠木作之、黒塗以藤巻之二十一筋也。取柄六寸、二指伏上開於穴。貫入一尺二寸、装束革六寸、一方劒形也。』 ムチは、その形がいちいち武をあらわしているっていうんですが、これは竹の杖でも同じことですねえ。 馬がひっぱたかれて走るように、これで軍隊を駆使する、だから指揮官だけが持つ特別な道具だ、ということですが、素材は竹じゃなくてヌルデ、しかも黒塗りにしてる。
ヌルデ、御存知のとおり、これまた毘沙門天に関係してます。
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