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 三日月状の刃がついた槍

いよいよ沙悟浄の武器ですが、たいていの人はこれをイメージすると思います。
月牙‘金産’といいます。
日本にも似たものがあり、日本では月鎌と言ってます。

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しかし、原作には、沙悟浄の武器が「月牙‘金産’」だとは書いてない。

前述の『少林十八般兵器』に、こんなことが書いてある。
例によって原文は簡化字ですが御容赦願い、くどいようですが‘金産’は便宜上です。

『少林‘金産’亦属長兵器之一、有説起源于初祖達磨、但不十分可靠。据拳譜記載、約在宋朝伝入寺院、被衆僧所習練逐歩発展、套路有、少林達磨‘金産’、少林方便‘金産’、少林如意‘金産’、少林魯侠‘金産’、少林月牙‘金産’和少林乾坤‘金産’等。』

そして、「少林如意‘金産’」と「少林魯侠‘金産’」の練訣(日本の武術で言えば口伝)がある。

また始まったか達磨大師…という話は置いといて、「月牙‘金産’」は、‘金産’の一種です。
この口ぶりだと、套路の数だけ少しずつ違う武器があるような感じですが、それはまだ調査中です。

 

 「月牙‘金産’」を使う敵があらわれたことがある

『西遊記』第六十三回、九頭■(馬へんに付)馬という怪物が、「月牙‘金産’」を使いました。
これははっきり、文中に
「月牙‘金産’」と書いてある。

そしたら、悟浄が「月牙‘金産’」を使っているとは思えない。

後述しますが、悟浄の武器は特別製の神器なので、同じ武器を敵が持ってるなんてことは、どう考えてもありえない。
ピンチの演出としてわざと登場させたのであれば、悟浄がびっくりするとか、じつはニセモノだったとか、それ相応の描写がなければおかしいですが、特にそういうものは見当たらない。

たしかに『西遊記』は、伏線が張ってあるのに結末が書いてないとか、出てくる数字の計算が合わないとか、ツジツマの合わない所はあります。『ドン・キホーテ』ほどじゃないけれども。
『西遊記』は、時代によって、いろんな人が手を入れているからです。
しかし多彩な武器がある中国で、わざわざ同じ武器というのは、あまりにも芸がない。

 

じゃあ、「月牙‘金産’」は沙悟浄の武器ではないのかというと、話はそんなに単純ではありません。

 続く→ 

 

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