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 護法神である

大乗仏教の重要な根本経典のひとつに、般若波羅蜜多経という分野があります。般若経。
パンニャパーラミター。はんにゃ。
有名な『般若心経』はすばらしいお経ですが、あれはあの短さに価値がある。
禅をやってる者にとっては、『金剛般若経』というのも必須なんですが、これもどちらかといえば短いほう。

『大般若経』という、めっちゃくちゃ長いのがあります。
600巻(笑)
これも史実の玄奘三蔵法師がインドから持ってきたもののひとつです。

深沙神は『大般若経』の守護神ということになってます。

仏教の護法神というのは、他宗教から取り入れた神様であることが多い
最初はヒンドゥー教あたりで神様をやっていたが、仏教を護る神様になった、というようなことが多いです。
だからタイ仏教では、異教の神は「仏」ではないという理由で、天部を信仰の対象にしません。

 

 仏教側の、深沙神の由来

史実の玄奘三蔵法師が、インドへ行ってお経をもらい、帰り道で川にさしかかった。
川の神である深沙神が出てきて語るには、今までに中国僧が6人ここへ来たが、そのたびにつかまえて殺し、お経を没収した。
その6人はすべて三蔵法師の前世である。
しかし今回は持ってるお経の量があんまり多いので、その熱意に負けた。
これ以降は心を入れ替えて、仏教を守る神になります、と。
三蔵法師はあっさり許してやったので、深沙神はその川を渡る手助けをした。

…というのが、深沙神が仏教の神様になった経緯だっていうんですよね、仏教では

この話、俺は禅の師から聞いただけなんで、文献で確認してないのですが、『大唐西域記』『大唐故三蔵玄奘法師行状』『大慈恩寺三蔵法師伝』『続高僧伝』『因縁集』『図像抄』あたりにたぶんあるのではないかと思います。

念を押しておきますが、これは『西遊記』ではなくて、仏教の故事です。
復路で会ったことになる。

『西遊記』のほうでは、もちろん行きがけに早めに出会って道づれになるわけで、今までに殺した僧侶の数も6人ではなく9人となっているほか、御釈迦様の弟子のひとりが説法をまじめに聞かないので下界に転生させられたのが玄奘三蔵法師、ということになってます。

仏教側の話に尾ヒレがついていったのが『西遊記』ですが、しかし『西遊記』は有名なので、逆に、『西遊記』側の深沙神の特徴や経歴が、仏教側の深沙神の設定にフィードバックしてる可能性も考えないといけません。
それはドクロのネックレスの話のときに後述します。

なんにしても、旅先で山賊に会ったような話ですね。

 

 ※追記
『大慈恩寺三蔵法師伝』では、川の橋渡しなんかしていないことが判明しました!
後述します。
『大唐西域記』も確認したので、それも。

 続く→ 

 

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