世徳堂本 世徳堂本『李卓吾先生批評西遊記』は、日本の内閣文庫に現存してます。 デスマス調で、おとぎ話ふうの柔らかい文体に訳しているので、原文がどうなのかがわかりにくいですが、注が興味深い。 新訳を出した理由として、訳者が「まえがき」で つまり、これが現在の日本の書店で入手しうるかぎり最古かつ最新版の、最も正しい『西遊記』ということになる。 しかも、転載されている原本の挿絵が、平凡社版よりも、はるかに鮮明で大判です。 このページからしばらくは、岩波版の注から興味深いところを御紹介し、それを中心にしながら、俺が知ってるところや考えてるところを書いていきます。
葬式杖は、やっぱり蔑称だった 岩波版は、葬式杖の説明が平凡社版よりも詳しくて、こう書かれてます。 『葬式杖---原文は「哭喪杖」。哭喪棒とも。父母の葬式に際して、喪主が手にする杖。悲しみのあまり痩せおとろえ、この杖にすがりつかないと歩けないという意味をこめる。次の「てめえのご先祖さまに、てめえの葬式をお見せするのかい?(原文は「叫■祖宗看杖?)」は、この「哭喪杖」を「祖宗」に見せるという、ありえぬ事態を指している。』 葬式のとき杖をつくというのは、こういう意味だったんですねえ。 注の後半部分は、ファックユアマムのたぐいですね。
葬式の杖が、やっとわかった 別の本ですが、最近これも読んだので御紹介します。 著者は伊勢神宮の神官だから、宗教的な分野はプロです。 『 中国の『儀礼』の喪服伝には苴杖(しょじょう・そじょう)という葬式に喪主が携える黒色の竹の杖が出てくる。また削杖という桐の杖がある。 以下、日本での例ですが、こう書いてある。 『 平安中期の後一条天皇の葬送を記す『類聚雑例』や『西宮記』には、藁沓をはき白杖を持つとあり、孝明天皇の葬送絵図にも公卿や殿上人らは白い桐杖を持ち藁沓をはいておられる。この古例は明治・大正天皇の大喪儀にも行なわれた。 白い杖、これ、おぼえておいてください。
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