日本の房 房とは何なのかを考えるとき、日本人の感覚が先入観にならないように、まず、日本の房から。 写真上、赤いほうは、十手用として作られたもの。 ですから、紐は房糸の中でコブになっており、簡単にはすっぽ抜けません。 写真下、黒いほうは、ある特殊な武器につけるもの。 仏教では「荘厳せよ」「威儀即仏法」という言い方があるのですが、房というのは、軍配団扇とか数珠とか土俵の四方とか、神聖さをあらわすというニュアンスがある。 房が足元にあって、アシゲにしたり、土がかかるなんてことは、ちょっと日本人の感覚からは考えにくい。 これは刀袋の紐につく房です。 現代では、日本刀(模造も含む)は、普通、黒い革ケースで持ち歩くのですが、昔は布袋を使っていて、現在でも保存用としては布袋が使われます。 布袋は、無地(または地味な柄)のやつと、錦のやつがあります。 やはり、神聖さということが前提になると思われます。
日本の房糸は、撚糸 これら日本の房糸は、よった糸です。 ↓ 幅1〜2ミリくらい □□ ■■ □□ ■■ □□ ■■ □■ 校旗とか、軍服の肩章とか、マフラーの端とかにつくヒレヒレは、たいてい、こういう構造ですよね。
中国の、剣の房 中国武術でも、武器に房をつけることはあります。 この房は剣に使うためのもので、中国製です。 なぜ、こんな邪魔なものをつけるかというと、いくつか理由があるのですが、最大の目的は目くらましです。 この房糸は、編糸です。 回回回回 □□□□ ■■■■ 回回回回 ↑
中国の、長柄の房 槍などの房は、剣とはだいぶ違います。 これも目くらましで、まるで体のまわりを炎が飛び回っているかのように見えるし、またそう見えるように使います。 実用性から言うと、ここは血をとどめる部分です。 長柄武器の先端にヒラヒラをつけるというのは、古今東西を問わず、旗とか馬標とか、遠目から見る人に対する何らかの意思表示というニュアンスを含んでいる。 この房は、付け睫毛のような構造をしていまして、それを腰蓑のように巻き付けて使います。 糸は撚りではなく、髪の毛よりも細い糸が100本ほど摩擦でくっついて、1本の糸になっています。 使っているうちにだんだんバラバラになってきて、毛皮のような具合になってきます。 マチャアキ版の西遊記でも、こうなっていました。 このくらいケバケバしてるもので、短かめであれば、下になってもあんまり違和感はないかもしれない。 房がある側が上とは限らないという可能性も、考えていかなければならないわけです。
次回から、別の翻訳の『西遊記』。 |
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