大粛正

昔から言われているネタとしては、「赤の広場で『ソ連の書記長はバカだ』と叫ぶと死刑にされる、それは名誉毀損罪ではない、国家機密漏洩罪だ」というのがある。

アカの指導者ってのは、秘密警察かなんか使って、てめえんとこの国民をてめえで殺すんですよね。

特に34年末からやってたのは「大粛正」と呼ばれる大規模かつキチガ○なもので。
犬がうるさかったら飼い主は死刑とか、ちょっとでもスターリンの気に入らないことがあると死刑になった。
即答しなかったら死刑、口答えしたら死刑、目をそらしたら死刑、にらみつけたら死刑。
政敵はもちろん死刑、無能な奴はもちろん死刑、優秀すぎても死刑、もう何でも死刑。
失策の落ち度をなすりつける人身御供だったり、逮捕する人数にノルマがあったり、なにがなんだか理由もよくわからず処刑された人も多かった。
ざっと134万人が牢屋にぶちこまれ、その半数以上が銃殺でした。

軍の高級幹部のほとんどが死刑。
元帥5名のうち3名、軍司令官15名のうち13名、軍団司令官85名のうち57名、師団長195名のうち110名、旅団長406名のうち220名など、冤罪をでっちあげられて死刑になった。
命拾いした人は、スターリンの機嫌をとるために、ますます軍人を死刑にすることに精を出すという、アホがゾンビで無限増殖みたいな。

下手な戦争よりも大量に死んでくれて、優秀な人から先に殺してくれて、ドイツや日本にしてみれば手間が省けるくらいですが、仲間を平気で殺すような奴は敵を殺すのも平気ですから、強いんです。新選組と同じ。
粛正じゃなくて殺人、同胞を殺害と、正しく言ってもらいたい。

飛行機の設計者もなんだかんだと罪をでっちあげられ、「ドキッ! 逮捕者だけの設計局」なんてのもあったくらいです。
工場の中に特別刑務所があって、監視がついてる状態で設計していたりとか、そんな感じだったらしい。

これは、技術者を隔離することによって、亡命を防ぎ、機密を秘匿し、開発を急ぐようハッパをかけるためだったんじゃないかと俺はにらんでいるんですが、スターリンのやることだから、そこまで深い意味ではなかったのかも。

でもパリカールパフさんも、仕事が遅いとかで軟禁されて開発させられてたことがありました。

ソ連には「閉鎖都市」というのもあって(じつはいまだにある)、軍事基地や軍需工場のある街なんかは、都市全体をそれ専用にして、関係者とその家族しか住んでない、自国民でも立ち入れない、なんてこともありました。

 

 頭数が多い!

日本みたいな小国で大粛正をやったら、軍事だけでなく、社会が、たちゆかなくなります。
殺しても殺しても、まだ人材がある、という国でなければ無理。

今は中国人民解放軍が、人海戦術みたいなことをさかんにやってますが、あれの本家本元はソ連です。
ひところのソ連軍は2千万人くらいいた。
2千万人が生産せずに食ってる、ほかの人もどうせ兵器を作っていたりなんかして、そんなことだからパンを買うにも行列を作るんですが。

戦死者の数でいうと、ソ連は1ケタ違う。
第二次世界大戦の「戦死」だけでも、ドイツ280万、日本230万、ソ連は1450万人くらい死んでいる。

民間人を含めたら、たぶん2000万人は超える。
民間人の犠牲が、とても多い…。

女性兵士が多いのもソ連軍の特徴です。
30年代には各国に女性パイロットがいて、じつは日本にも古くからいたし、戦後のフランスやアメリカには音速ジェット戦闘機でも女性を起用しましたが、共産主義っていうのは何の分野でも女性の社会進出が盛んで、ソ連の場合、女性パイロットだけの実戦部隊3個連隊とか、女性で戦闘機エースもいました。

 場当たり的

ソ連軍の戦い方というのは、とりあえずその場しのぎというか…。
危なくなってるから兵力を投入する、それも、あんまり効果的でない攻め方で、ただ気合と根性だけでねばり強くがんばって、大量の戦死者をムダに出し、それでも後から後から補充されるから、相手のほうがだんだん疲れてくるので、最終的には挽回し、それで追撃すればいいものをあんまり追撃しない、勝ってるのに退却しちゃったりする。

頭悪い指揮官しかいないからです。確固とした方針がないまま戦ってる。

こういう効率の悪いことをやっていても勝つというのは、実力を出しきってないのに勝つ、もともとの基礎体力がよっぽど強いということです。
やる気なさげで楽勝だ、と思ってソ連を叩きに行った軍隊は、必ずコテンパンにされて逃げ帰る。

もっとも、指揮が下手なのはどこの国でも同じみたいで。ドイツもキチガ○の人が気分で命令してるから、やることが支離滅裂。大日本帝国の戦争指導者がバカばっかりだったのは御存知のとおり。アメリカは政治と物量で勝てるようにしておいてから戦うので、不利な状況を指揮のうまさで大逆転なんていう危ないことはそもそもやらないので、戦術の名将を輩出したためしがない。

 

 →つづき 

 

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