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ソ連というのは
あんまりなじみがないので

 

 USSR

ソ連は、ソヴィエト社会主義共和国連邦というやつです。
ソヴィエトは、評議会のこと。

車寅次郎さんが、「よぉ!労働者諸君!」と言ってましたが、あれは山田洋次監督が共産主義者なんですよね(ロシアは映画や演劇やバレエの先進国で、そのせいか芝居関係には共産主義者がとても多い)。
1個売っていくらにもならないような団子とか、ページいくらにもならないような印刷物をですね(それって俺だよ、シャレにならん…)、毎日汗水たらして勤勉に働く、そういう人々の代議員が政治をやっていく、決して貴族や大企業の思惑で動くのではなく、庶民のための政治、ということなんですが、もちろんこんなの大ウソで、ソヴィエトはちっともソヴィエトじゃなかったわけです。

社会主義はものすごく種類が多くて、じつは日本の官僚政治や、一億中流社会とか、労組と民主党とか、農村で村八分とかも大いに社会主義なんですが、ソ連の言う社会主義というのは共産主義の準備段階みたいなやつのことです。

田畑とか工場とか、生産の元になるものを、一部の人が私有していると、ほかの人は働いても働いても奴隷になってしまうので、一切を国有にして、みんなに平等に分配しようというようなことが共産主義です。
実際は、党幹部だけ贅沢してたのは御存知のとおり。やってることは王族貴族社会と同じだから、伝統や文化を破壊する分だけ、なお悪い。
セレブというのは文化の庇護者だ、ということをデヴィ夫人がおっしゃっている。王族貴族をなくすのなら、それならそれで、それに代わる文化保護の強力な組織を作らなきゃ、文化が滅ぶじゃないか、とのことです。同感だ。

ソ連は、教会をぶっこわしたり、机上の空論みたいな農政で何百万という餓死者を出したり、市民を監視したり、邪魔者は移住させたり殺したり、いろんなことをやりました。
なんていうか、人工的なんです、科学的な奴隷制。

ロシア帝国の最後のほうっていうのは、とても保守的な皇室で、時代と合わなくなってきていた。
ちっとも戦争に勝てず(日本のせいなんだけど)、経済もうまくいってなくて、皇后はうさんくさい超能力者とイチャイチャしてて。
国民は食べ物がないから革命や内戦をやって、ソ連になりました。

貧しい人々が多いほど、共産主義は成立しやすいというのが、救われないところなんです。

 結局は、君臨してる奴がいる

レーニン(これ、じつは偽名。ソ連の有名人はだいたい愛称やあだ名で呼ばれる)が、最初の元首。
革命家というより天才学者です。
成り上がり貴族の息子で、いろんな民族の混血で、兄は皇帝暗殺に失敗して絞首刑になり、そのへんのコンプレックスだか反動だかで、超国家を生み出した。
建国して1年ちょっとですぐ死亡。
今でも遺体を防腐剤処理して保存してある。うちの陛下と同じだ…。

それを継いだのが、悪の権化スターリン(これも本名ではない。しかも、顔写真なども加工して美化しまくり)。
ソ連が悪く言われる原因の半分以上は、この人のせい。
虐待されて育ったので、精神的におかしなところがあって…、この人自身も不幸だったと思う。

本書は、この時代に書かれたわけです。

スターリンの後は、核兵器反対のマレンコフさんの9日天下と、短気なフルシチョフさんの非スターリン路線を経て、見栄っ張りのブレジネフが長い間バカをやり続け、その次のアンドロポフさんとチェルネンコさんはわりと常識的な方だったけれど御高齢のためどちらも1年ほどで病死、そしてゴルバチョフさんが登場して終わるわけです。

 

 敵

旧日本軍の敵は、ソ連だったはずです。
ウラジオストクというのはウラジヴォストーク、「東方を支配する」という意味です。
正露丸は昔は征露丸と書いた。

ソ連をやっつけるために組み立てた軍隊を、ソ連にぶつけないでアメリカにぶつけて、関東軍は手持ちぶさたで悪さばかりして、兵力を少しずつ南方に回しては少しずつ死なせ、そういうおかしな国策やってるから、千島も取られ、北方領土まで取られた。
ロシア人とムネオハウスを恨む前に、自分たちのマヌケぶりを恨んで反省しなきゃいけません。

EUとか、アフリカ連合もそうだし、UAEとかマレーシアとかもそうですが、御近所で仲良くして、支えあって、文化も経済も交流を深めて、みんなで幸せになっていくのがお互いのためなんです。

日中韓が力を合わせて、ヨーロッパやアメリカと対等にやっていくのが、東アジアの新秩序のはずだった。
中国や韓国をいじめて嫌われて、一体どこが大東亜共栄圏なのか。

しかも日本は、日露戦争の時、ロシアを内部から破壊してもらいたくて、共産主義者を援助しました。明石大佐はレーニンと会ってる。
われわれ日本人が、ソ連を生み出す手助けをしちゃったわけです。他人事ではない。

ファシストにとっても帝国主義にとっても民主主義にとっても、ソ連は共通の敵のはずです。

明治天皇は、ロシア皇帝には敬意を払っておられたし、皇室のあり方として見習うべき所は、日本も大いに見習わせてもらいました。

ソ連に組み込まれた国々にとっても、ソ連は敵なんです。
ウクライナなんて、どんだけソ連のせいで損したことか。

バルト三国では、喜んでソ連やってた人は、ただの一人もいなかったはず、というか国民はどんどんシベリアへ移住させられて、ロシアから来た人が住んでいたりした。

じつは、共産主義者から見ても、ソ連は敵なんです。
共産主義にもいろいろあって、いろんな学説があるから、現実の政治にどう実現させていくかは方針がいろいろある。
レーニンでさえ、マルクスの理論から逸脱しているのだそうです。
少なくとも本当にまじめに庶民のことを考えて共産主義を選択なさった人は、ソ連の共産党を必ずしも高く評価してません。
日本共産党も、ソ連の悪い所を意外に厳しくおっしゃってた。
4島と言わず千島列島全部が日本のものである、なぜなら侵略戦争で拡大した領地ではなく平和的に条約で取り決めたことだからだ、…なんてことを日本共産党さんははっきりおっしゃる。

アカだろうと一党独裁だろうと、善政だったら何も問題ないわけです。
共産主義は認めてもソ連は認めないというスタンスもあるということ。

 

 →つづき 

 

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