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研究、開発、試作、量産

 

 研究

R&Dなどと言って、研究と開発はあんまり分けません。
関連もしているし似たようなもんです。
しいて言えば、研究は理屈の基礎で、それをもとに、具体的な品物を開発していくという感じ。

研究は、基礎研究(純粋基礎研究)、開発研究(目的基礎研究)、応用研究(改善研究)、導入研究(新型導入研究)などがあります。

軍事の場合、それ以前に、運用研究装備研究に大別される。
前者は、運用基礎研究、戦闘開発研究、戦闘改善研究、教範類編纂、戦史編纂、その他の運用研究などがある。
後者は、装備基礎研究、装備開発研究、装備改善研究、その他の装備研究などがある。

しかし、運用と装備も切り離して考えられるものでもありません。
必ず、この上の役職の人が、全体を把握して、大きな方針を決めなければ、うまくいきません。

 発明

まず、「実現できるか」という段階があります。

人間が空想することは、なにかしら方法を見つけて、いずれ誰かが必ず実現すると言われてます。
それこそ、はいタケコプターのノリ。

明確にイメージしたものは必ず具現化するっていうのは、オカルトの理屈からいっても、まったくそのとおりです。

「開発」というのは、もともと仏教用語です。
元になるものは、じつはすでに潜在しているのだが、そうとも気付かず使っていない、まだ発動していないので、邪魔なものをとっぱらってやれば大きく開いて、活用できるわけです。

実現できなくても、それはそれでいいんです。
やってみてわかった経験は、あとで別のことに使える場合がよくある。

なぜ実現不可能か(なにが障害になっているのか)、ということさえわかれば、実現への道はつながってます。それさえ解決すれば、実現できるわけだから。
何十年後かに、なにかの技術が進歩したら、その壁は問題にならなくなるかもしれない。
「寝かせておく」などと言います。芸術にもよくあることです。
失敗は成功の元というやつで、失敗の原因さえわかれば、すでに成功してるようなもんです。あとは、やればいいだけ。

 革新、改善

ヒンドゥー教には、創造神、維持神、破壊神というのがいらっしゃる。
創造と発展は、両立しません。
とんでもなく奇抜なことに一から挑戦する人と、今ある技術を堅実に向上させる人は、性質が違います。

前者は、使い物にならない珍発明が玉石混交してる。もともとが変人なので、恥や失敗を恐れない、逆に言うと、冷静になるということが苦手。非常識。

後者は、選別するのは得意だが、他人が出した叩き台を叩くのが得意な人というのは、自分では代案を出しゃあしない。作家と評論家は別です。スカした格好つけ野郎は、恥をかかせるのは好きだが、恥をかくことは怖がる。

 

そして、これは輪廻みたいなものです。
斬新なアイデアを出した人は、自分の理論に誇りがあるので、いつまでもそれにこだわってしまうから、時代遅れになってもそれを続けるので、いつの間にか保守的になっている。

他人の技術をパクってるような奴のほうが、誇りも節操もないから、時代の変化に柔軟に対応し、つねにいいとこ取りでいく。
しかし、そういう所からは、全く新しいものというのは生まれてこない。

 国民性

国民性の恐ろしいところは、いつの間にか方向性が決まっているばかりか、それを自覚していないことです。

イタリアは、新しいことを始めるんだけど、その後が続かない。なぜかはわからないが、人々から忘れられてしまう。あとで調べてみれば、ルネッサンスやローマ時代にこれと似たものがすでにあった、なんてことが多い。
発想がフェラーリなので、最高速度と造形美にこだわっていて、ほとんど戦争の役に立たない。国力も低い。

ドイツは、ものすごく変わったものを生み出す。変えなくていい所まで新技術を入れたがる。飛行機のたいていのことはドイツ人の工夫と言ってもいいです。しかし、それが開花する前に戦争が終わる。いつもそう。しかも負け戦。メカをいじくりまわすこと自体に熱中し、やるからには徹底的にやらないと気がすまない。国力もあまりない。

フランスも奇抜だけど、ドイツの奇抜がマッドサイエンティストなのに対して、フランスの奇抜はアーティストだから、イタリア同様、へんな造形美をやってて発展が続かない。創造力は豊かだがフィーリング重視であり、ドイツのように粘着してコツコツではない。国力は、じつはあるのだが、飛行機に関する限り、この時代にはもう三流です。

英国は保守的で、なんでもほどほどの所か、少し古い所。子どもっぽいドイツと逆で、大人の対応をする。新しいからといって飛びつかない。面白いからといって熱中しない。かっこいいかどうかではなく、勝利に直接つながるかどうかでやる。常識的。対ドイツ戦のためにレーダーとか、軽空母だから垂直離着陸機とか、本当に必要な所には大胆に新技術を入れるが、旧式で用が足りれば旧式でもよい。国力は見た目よりもずっとある。使い方もおおらか。

アメリカは他国からパクってきて、もっと具体的に実用的にする。怒濤のような勢いで発展させ、大量生産する。
特にこれといって、かたよったり、こだわったりせず、わりきっていて合理的で、脳天気で、豪快で、総合的にバランスがいい。どうせ主観の偏見だから言うが、おそらく最も戦争にむいていて、やり慣れてもいる。国力は有り余ってる。

日本は、フランスの逆。人様と違うことをやって注目や責任を浴びるようなことが嫌いで、創造むきではなくパクリ専門。手先が器用だから仕事は丁寧、凝り性、勤勉かつ集中力がある。でも基礎体力がぜーんぜんない。極限まで改良してしまうので、また次のものをパクらない限り、先がない。資源もない。

ソ連はだいたいアメリカと同じだけれども、もっと無節操で貪欲で圧倒的で強引。後述します。

 

 →つづき 

 

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