軽爆撃機

軽爆は、爆撃機でも単発の小型だったりして、どちらかといえば運動性がいいもの。

戦闘爆撃機(少しは爆弾も積める戦闘機)よりは、ほんのちょっと爆撃機寄りというくらいです。
たいして積めない。

いざという時は戦闘機と戦うことも多い。
実際はそんな能力がなくても、戦闘機が足りないとか、それほど激戦地でないとかで、ちょっとした戦闘機として使っていることがあります。

陸軍の場合、襲撃機や攻撃機とたいして違わない。
海軍の場合、艦上機だからです、小型なのは。

軽爆というジャンルは、第二次世界大戦が始まってすぐ、実質的には消滅しました。ただ飛んでいたら、ただ撃ち落とされるからです。
急降下爆撃ができるとか、戦闘機を相手に戦えるとか、なにか必要。

現代では、対空と対地の違いの問題(レーダーもミサイルも、昔は対空と対地で兼用できなかった)も技術的に解決したので、何でもできる飛行機(マルチロール機)が使われてます。
純粋な戦闘機(制空戦闘機)も、なくなりつつあります。
1機あたりの値段も高いから、なるべく兼用したい、開発や一部部品だけでも共有したいということと、戦闘機というのは高速で激しく飛び回るだけの余分なパワーがもともとあるから、チンタラ飛んでいいのなら爆弾くらいいつでも持ち運べるからです。

 中爆撃機

中爆は、軽爆と重爆の中間です、積載量が。

積載量もほしいが逃げ足もほしいとか、大型機を開発運用するほど技術も金もないとか、戦術爆撃だからそんなに大型の長距離でなくてもいいとか、しかし、まとまった量を落としてやりたいので双発で飛んでいるというくらい。

このサイズまでは、急降下爆撃機として作られることがあります。

また、爆撃機が双発以上だと、速度があるので、高速爆撃機ということができます。
意外に思われるかもしれませんが、戦闘機より爆撃機のほうが速いということが、昔はよくありました。小回りを求めない設計で、なおかつ、エンジンをたくさん積んでいるからです。もっとも、重い爆弾もたくさん積んでいるんですが、帰りは空荷なので。
ヒトラーも、ジェットエンジンの実用化でせっかく手に入れた高速を、戦闘機ではなく爆撃機に使えと命じて、メッサーシュミット博士を困らせた。

日本の旧陸軍の場合、爆撃機の攻撃対象は、じつは戦闘機です。
敵の空軍基地を爆撃し、まだ飛び立っていない戦闘機を根こそぎやっつけるのが仕事。
だから、爆弾搭載量よりも、到達速度を重視する性格がありました。
これは相手がソ連だから、こういうことを考えていたわけで、アメリカに対しては、あんまり通用しませんでしたけど。
日本では、欧米の半分くらいしか積まなくて、重爆という名前でも実際は中爆クラスだったりしました。

 

 重爆撃機

重爆は、ひたすら爆弾や燃料の積載量を追求したもの。
有名なB-29は、2キロの焼夷弾を4500発くらい積みます。

戦場の敵兵ではなく敵国の市街を爆撃して民間人を殺す、戦略爆撃機である場合も少なくない。
日本の民間人は、ずいぶんと米軍に殺されました。もちろん、やれるんだったら旧日本軍も同じことしたはずですが。

敵の戦闘機や対空砲にからまれると落ちるから、重武装か、高高度または夜間を航行できる能力か、なにかで回避します。

この分野を始めたのは、じつはロシアですが、この時代は、あまり力を入れてません。開戦時のヒトラーのほうが爆撃には熱心なくらいです。

ヨーロッパはだいたい陸続きのお隣りさんだから、航続距離はそんなに必要なかったりします。
爆撃機に限らず、戦闘機なども、ソ連はあんまり航続距離を持たせないことがよくあります。当時のソ連では、千キロ少々飛べれば、長距離型と呼ばれていた。
戦後も、アメリカではボーイングの巨大な爆撃機を作ってる時に、ソ連はどっちかっていうと弾道ミサイルに比重を移してました。

今は大陸間弾道ミサイルもあるし、潜水艦からも核ミサイルを撃てるし、米軍基地は世界中にあるので、なおさら長距離の重爆ということをやらなくなりました。
ミサイルと違って、ギリギリで核攻撃を中止もできる、最後まで良心と一緒に飛ぶ、なんてことが、戦略長距離爆撃機の需要だったんですが、冷戦も終わったので。

爆弾の性能も上がり、爆撃照準もコンピュータで精密にやるので、そんな大編隊で絨毯爆撃しなくても、少量の爆弾でも確実に戦果をあげることができる。
今どきの爆撃というのは、どの施設を狙うかではなく、どの部屋を狙うかということをやってます。

東京大空襲は、兵器の部品生産が町工場の下請けに分散しているから、ヴェトナム戦争の時は、ジャングルのどこにひそんでいるかわかんないから、というような口実をほざいてましたが、アメリカのやることだから、どっちかというと敵国の一般市民への心理的な効果という狙いが少なくありません。まあだいたい、逆効果ですけどね。

戦前の巨人機はへなちょこですが、戦時中の、特にアメリカの4発爆撃機は、大きいこと自体も強さでした。
戦場ではビビるので、強敵は実際より大きく見えるもので、あまり見たことがない大きな飛行機を前にすると、射程距離に入ってないのに入っていると勘違いしてしまい、届かないムダ弾を撃ってしまうものらしいんです。
対空砲も、高空を飛んでる大型機を低空を飛んでる中型機だと思い込んでしまい、観測兵がせっかく精密に距離を測っても、時代遅れの将校が照準を低めに修正?してしまうので、ちっとも当たらないということが、旧日本軍にはよくありました。

 

 →つづき 

 

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