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スペックなんぞ追いかけて
何が面白いのか?

 

どうせ前置が長いのは、いつものことですから。
このコンテンツは、どうかすると、うちのサイトの運営方針に反するページになってしまいますから、この問題だけは言っておきたい。

 手段は、手段

軍事のとても重要な原則のひとつに、「目的と目標を混同してはならない」というのがあります。
作戦目的は明確に、作戦目標は的確に、ということになっている。

自分たちの燃料を確保したいとか、敵を燃料不足にさせたいとかが、目的です。
油田を占領するということは、目標です。

手段は、たいてい、ほかにもあります。
同盟国が手持ちを融通してくれるとか、パイプラインを破壊して敵の手元に届かないようにするとか、なにかほかの方法で目的が満たされるのであれば、多大な犠牲を払ってまで油田を占領する必要はないかもしれない。

油田を守っている敵と銃撃戦をするとか、狙撃しやすい位置に陣地をとりたいので近くの丘の上をまず占領するなんてことは、手段の手段のそのまた手段にすぎない。

そもそも、油田に向けている兵力を大統領官邸に向ければ、戦争を長期継続するための大量の石油なんて必要ないのかもしれないし、それ以前に、優秀な政治家が首脳会談で譲歩を引き出しておけば、戦争する必要もなかったわけです。

どんな結果が欲しいのか、です。
なにをやりたいのか、ではない。

ところが、軍隊ってのはドンパチが仕事ですから、あんまり優秀な政治家が平和的に解決しちゃうと、仕事ないんですねこれが!
自作してでも、出番が欲しい。
適度に使っていないと、経験がなくて将兵も育たないし、兵器も戦法も発達していかない。

やってるうちに、やってて楽しいことにハマっちゃったり、せっかく無傷で温存しておいた兵力を使わないまま敗戦するのは無念だから最後に死に花を咲かせてやりたいとかなんとかアホを言い出すようになり、目的と手段がどんどんズレてしまうことがよくある。

結果は問題ではない、武士の意地でござる、男には負けるとわかっていても戦わねばならない時がある、フッ、とかなんとか、あんたはそれで酔いしれて死ぬのはいいが、国が滅ぶのですよ国が。

 方法は選択しなければならない

忠臣蔵のテレビドラマのメイキングか何かで、「武士が一対一で同時に斬り込んで、すれ違って、しばらくして片方だけがバタッと倒れる」というのを、スタッフさんが妙に気に入っていて、どうしてもあれをやりたかった、チャンバラの王道だっ、とかなんとかニヤニヤ喜んでいたけれども、できあがった画面はというと、吉良邸で激戦の乱戦やってる忙しい時に、相手を斬った格好のまま腕を突き出したポーズで動かずにじーっと固まっていて、こいつアホかと、俺が斬ってやろうかと、ほかのシーンに比べてそこだけリアル感が薄くて、流れとしてヘンテコだった。
やりたいかどうかではなく、その作品に必要かどうかです。
やりたければ、それが似合う作品でやれい。

面白くても逆効果になるならやらないし、やりたくなくても必要ならばやる。
「やったらどうなるか」「やるのとやらないのとでは、どっちがマシか」ということで、やるかやらないか、やるならどれをどうやるか、
選択していく作業なんです、芸術も武術も。

 

年賀状ソフトに、くっだらねえ無料素材がついてくると、せっかくあるから使わなきゃ損と思って、入れなくていい所へ無理に入れちゃって、8段クラスの偉い先生から来た年賀状にカワイイ動物イラストなんかついていたり。
使わないという選択肢だってあるでしょ。表現の監督者はおまえだろ。おまえが道具に使われてどうすんだ。
三流映画のCGなんて、全部コレ。
軍事の場合、それで国民が死ぬんです、名もなき下級兵士や、なんの罪もない民間人が。

その行為によって、なにかが良くなるとしても、なにもかも良くなるとは限らない。
かえって悪くなる部分もあるかもしれない。
それでも総合的に見て、得る部分のほうが多いとか、この部分だけは絶対に必要なので優先的に確保したいとかで、決めていきます。

煙草の値上げとかもそうだぞ、バカ野郎!
やらないより、やったほうが世の中が良くなるんだったら、やるわけです。
まあ見てなさいよ、煙草400円になったって社会保障はぜんぜん良くならないから、問題はそこじゃないんだから、関係ないんだから。

 戦争は、手段

戦争は、たくさんある政治手段のうちの、ほんのひとつです。

戦争をやる前と後とで、戦争をやらないよりもやったほうが、より良い未来が来るのであれば、戦争をやるんです。

戦争に勝てても、戦後が幸せとは限らないわけです。
負けたドイツや日本のほうが、繁栄してるじゃないの。
米軍はイラクに行って恥をかいたでしょ。

 戦闘は、手段

戦闘は、たくさんある戦争手段のうちの、ほんのひとつです。

撃ち合うことばかりが戦争じゃありません。
敵国の民間人の気力やプライドを失わせたり、情報や物資の流れを止めたりいじったり、政治やインフラや思想や文化を崩壊させたり、やることはたくさんある。

ベルギーは18日間、オランダは5日間、デンマークは2時間で、ドイツに負けた。でも「戦勝国」です。
戦闘に勝てても、戦争に勝てるとは限らないわけです。
米軍はヴェトナムに行って恥をかいたでしょ。

 兵器は、手段

ましてや、兵器の性能なんてものは、たくさんある戦闘手段のうちの、ほんのひとつです。
兵器が高性能だからといって、戦闘に勝てるとは限らないわけです。
米軍は朝鮮に行って恥をかいたでしょ。

戦後の米ソの兵器なんて、ドイツから奪った科学技術のおかげです。
旧日本軍でさえ、その分野では世界トップクラスという兵器ありましたよ。
逆に、P-38は月光に撃墜されたことがあります、しかも昼間に。

 

 →つづき 

 

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