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ロシア語の表記について

 

 カナ表記

ものの本によって、アレクサンドロヴィッチ、アレクサンドロビッチ、アレクサンドロヴィチ、アレクサーンドロヴィッチ、アレクサーンドロヴィチ、アレクサーンドロヴィチュ、アレクサーンドロヴィチャ、アレクサーンドラヴィチュ、アレクサーンドラヴィチャ、アレクサンドロウィッチ、アレキサンダーヴィッチ…などと、いろいろに書かれてます。

日本語にない音を、日本語で表記するのは、そもそも無理です。
まず、聞き取れても、それを書きあらわす文字が、われわれのカタカナの中にない。
ここまでは誰でもわかってる。

それよりも深刻なのは、聞きなれない音は聞き落としているということです。

英語でも、サイレントナイトをサイレン無いにするなっていうのがある。ボーカルレッスンでみんなコレをやる。
リトルよりもリロゥとか、ウォーターよりもウァーラァーとか、ラジオよりもウェリオというような言い方をすれば原語っぽくてかっこいいと思い込んでるバカが多いんですが、こういう丸め込んでねじった発音は、田舎者(英国のかなり北部の出身、あるいはアメリカ人)しか使わない。
正しい英語では、よーく聞くと、子音をちゃんと言っている! 言っているが、日本人には聞き取りにくいので、あんまりわからない。
バーで飲んでて、英国人とアメリカ人が両どなりになったりすると、同じ単語が全然違って聞こえる。色見本のように、2つを並べてくれれば、違いがわかる。でも、単体では、俺にはよくわからないです。

これは心理学的な問題で、この状況ではこういう発言をするだろうとか、だいたい予測しながら聞いているから、母国語同士だったとしても、意外な返事や、初出の単語は、聞き返すことになる。

俺が子どもの頃に、『ファントム無頼』という空自のマンガがあって、ソ連兵がスパシーボと言ったんですよ、俺はそれでスパシーボという言葉をおぼえた。
ところが大人になってNHKのロシア語講座みたいなのを見ると、誰もスパシーボなんて言ってない! ボじゃない。たしかにバって言ってる。
つづりはオって書いてあるのにア。
じゃあ、アって書いてある時はというと、ゆるいイだったりするのだ。

まるで、オラ東京さ行ぐだですよ。
寒いから「どさ湯さ現象」をおこしていて、あんまり口を開けてしゃべらない感じ。
ロシア語というのは、文章も極力短かめです。冠詞もbe動詞も、できるだけなくす方向を向いている。

それでいて単語や地名が異様に長かったりするのがまた、わけわからないんですが。

人名に関する限り、ロシア人は、親しい仲で略さないということはほぼ絶対にない。
辻原康夫さんの『人名の世界史 由来を知れば文化がわかる』平凡社2005によると、友人恋人には短縮形、わが子には愛称形、使用人には卑称形、通常は短縮形だそうです。
しかし、ミハイルをミーシャ、ピョートルをペーシャ、アレクセイをアリョーシャ、イワンをワーニャ、ナタリアをナターシャ、アンナをアーニャ、マリアをマーシャなどというのは、それほど短縮してない!
由美子をユミと呼ぶなら短縮だが、ゆーにゃんとか、ゆんの字では、増えてるくらいじゃないか。
手品を手品ーにゃ、みたいな。

てなわけで、これはどうしようもないことです。
しかし、どうにもならなくても、なんらかの、どれかを書かなきゃ、外国の話ができない。

 人様の御芳名である

JUNKOさんというのが外国に行くと、「Jを読まない習慣の国」っていうのが結構あるので、いろいろ御苦労なさったりするそうです。
母国語にない音でも、「できるだけ尊重しよう」という気持ちは必須だと思うわけです、特に人名は。

名前というのが、その人の存在とか尊厳とかいうことにおいて、どれだけ重要であるか、うちのホームページでは1コンテンツ作ってまで強調していることですから、尊重しないわけにいかない。

Polikarpovだったら、ポリカルポフと読んでもいいのだろうと思う、Polikarpovならね。
でも、この人はPolikarpovではない!
Поликарповなのだ。
ポって書いてあってもパと発音してるに違いないのだ。

早安少女組と書いてあれば、ズァオアンシャオニュィズゥくらいでもいいのかもしれない。
だけど、このグループの名前は早安少女組じゃないだろ、「モーニング娘。」だろ?
中国の人も、日本のものにあこがれて日本のもののファンになる時は、日本語発音でお読みになるんじゃないのか? カタカナ使えるだろ台湾の人。
morningなんて言葉は、グッドモーニングとか、モーニングコートとか、普通に外来語として入ってるのでは?

 勝手がわからない

スラヴは東側だけでも、ほかにウクライナ語とベラルーシ語があり、特に重工業はウクライナでやってることが多く、ソ連の共通語で読むのか、モスクワ周辺の現代の都会言葉で読むのか、いかにもジュコーフスキイ周辺風に読むのか、いかにも鼻につく理系インテリ風に読むのか、人名ともなるとその人の出身地の母語で読むのか、資料を尊重するなら書いた人の母国語や書き癖を経由して読むのか、日本の学者さんの間に学術的な原則があるのか(あるらしいのだ、ドストエフスキイの弱いオ音とか、ツルゲーネフをトゥルゲーネフにするかしないかとか、普及しちゃってる言葉はあんまりいじらない感じ)、また軍事というのはどこの国でもちょっと非日常の独特な言い回しがあったりするもので、ソ連軍風というのがあるのか、日本の軍事学に標準的な表記法があるのか、よくわかりません。

 

米軍のヘリコプターだったら、俺もシコルスキーと書くかもしれません。
スィコールスキイさんは亡命なさって、シコルスキーエアクラフトはアメリカの会社で、自衛隊にも採用されて、自衛隊でも「シコルスキー」と読み書きしているからには、もはや日本語にある単語だからです。

航空機に詳しい方だったら、シコースキー選手と言われても違和感あると思いますが、あの人もアメリカ人です。
選手名登録してるならそれでいいと思います。
イチローとか、朝青龍とか、御仕事上ではその名前なのだから。

かといって、日本法人が、フォルクスワーゲン、メルセデスベンツと表記していても、ここはどうしても、フォルクスヴァーゲン、メルァッツェーデスベンツと呼ぶ人もいます。
俺の周囲でこれを所有してる人は全員そう。
俺がベンツと言うと、「メルァッツェ〜〜〜デスベンッツッ!」と、そのたびに話の腰を折って必ず突っ込まれる。もう聞き慣れてしまった。
せめてメルセデスベンツでもいいから、メルセデスをはぶいてベンツと呼ぶことだけはよせということらしい。

うっかりミニとか言うと「ただのミニじゃないのっ! ミニクーパーなのっ! しかもS!」とか…。
興味ない人から見れば、そんなもん、もう、どれでも一緒一緒。
うちの母なんぞは、ビートルのことをワーゲンと呼んでる。フォルクスワーゲンですらない。

しかし、これは確かに尊重しなければならないことです。柳生心眼流を心眼流と言われたら納得いかないでしょう。

なにをもって正式かというのも微妙なところで、うちの父は飛燕ではなく三式戦、二式複戦ではなく屠龍、四式重爆ではなくキのロクナナと言いますが、当時は周囲の誰もが、そういう言い方だったそうです。

ハチロクを、カローラレビンとかスプリンタートレノと呼ぶのはメーカーだけであって、いくらメーカー様が公式にそう決めていても、圧倒的大多数の民衆は誰も商品名では呼ばない、なぜなら、ハチロクという呼び方をする人しか、この商品に興味がないからであり、カローラに乗ってますなんて金輪際言わない。
しかも、AE86は、メーカーの公式な形式名であり、民衆が勝手につけたあだ名ではない。

丹頂というメーカーは、チャールズブロンソンが「うーんマンダム」と言ったことから、誰もがマンダムと認識しているので、とうとう社名をマンダムに変えてしまった。

どっちみち俺はロシア語できませんので、どれが原語に近いのかもわからないし、原語を優先せずに日本語としてカタカナ読みしなさいという平成3年内閣告示が、戦前の話にさかのぼって適用されるのかどうかもわからないので、あまり考えもなく書いております。

このコンテンツには、表記の間違いが膨大にあると思います。すみません。
ここで重要なのは話の中身、軍事のほう、しかも、いったん旧日本軍のフィルターを通してる情報です(…それでさえ間違いだらけだと思いますが。いや、旧日本軍も間違えてるだろうし、さらに俺も)。

 キリル文字の英語表記

まず、キリル文字自体に、なじみがない。
今どき駅構内や家電量販店の案内表示に中国語や韓国語が併記されていたりするが、ロシア語はとんと見かけない。
ロシア文学か対ロ貿易かなにかやってる人でない限り、日本人が日本国内で日常生活してて、ロシア語のつづりを見かける機会がほとんど皆無。
\(;Д;)/
こういうバカみたいなことに使われる程度。

ロシア語にはベータが2つあって、Б(ベー)とВ(ヴェー)ですが、これを英語表記するならば、前者はB、後者はVになる。
Бは間違えないけれども、В(ヴェー)を、ついうっかり、B(ビィ。英語の)と読み間違えたか誤植したものが、絶対あるに違いないという疑いがぬぐえません。
ベーをビィで表記しておいたものが、ヴェーにされてしまうということです。

さらに俺も、気付かないうちにそれをやっちゃってる可能性がある…。
型番などは、どうしても、このへんが自信ありません。

「Р」はパイ系ではなくロー系ですから、ピーではなくエルと読み、英語のRにあたる。
英語のL(ラムダ系)に相当するのは、ロシア語では「Л」ですが、これもエルです(舌を巻き込まない棒読みエル)。
英語のPに相当するのは、ロシア語では「П」です。ペー。

「Н」はエータ系ヘータではなくニュー系ですから、エイチではなくエヌと読み、英語のNにあたる。
英語のHに相当するものはロシア語になく、「Х」、ハーしかない。エドはるみさんのクァーッ!みたいな息の音。
「Ф」はファイ系ですが、ラテン文字にありませんから、英語ではFかPHになる。

もし、「なになにPH型」という品物があったとして(あるのだ…)、これは「РН型」のことか?
じゃあ「RN型」と同じものか?
それとも、まだ俺の知らない「Ф型」が存在するのか?
それとも「ПХ型」か?
もしかして「П1型」「П2型」「П3型」というのがあって「Пシリーズ」と総称することはあるが「ПХ型」という品物はないのか?

M-105というエンジンには、P型とR型が両方ある。どーすんだよ!

という具合になっているということを御承知の上で、お読みください。
まじめに調べればすぐわかることなのかもしれませんが、わかったところで俺にとってはそれほどありがたみもないんで、そこまで厳密にやっておりません。すみません。

 

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