軍服について

軍隊では命令が早く確実に通るように、規律や結束、志気や忠誠心が重要で、階級があるのも制服の身分格差もそのためです。

近代軍隊の服は、おそろいということが必要になった時から始まり、ナポレオンや南北戦争の頃までに整いました。
ボタンがやたら多く、スソがコートのように長く、折り返しや縁取りがあったり、赤白青なんていう派手な色だったり。いわゆるベルばら風です。

その後、第一次世界大戦くらいからは、学ランに近いやつが主流になり、色も地味になりました。
これの最高傑作は、伝統、実用、敵味方への心理効果、あらゆる点でナチスドイツだと思います。

そして、第二次世界大戦以後は迷彩が主流になり、作業服みたいな、開衿で動きやすいダブダブの服で戦うようになりました。
英軍ではスモックなんか着てます。
自衛隊のは上着のスソをズボンの中に入れたり、細身で少しきゅうくつだったのが、最近は米軍風になりました。

そうやって新しいのが出てくると、あんまり古いタイプは実用というより威儀的な礼服になり、特別な式典でもないかぎり着ない。普段から着てるのは、ごく偉い人だけです。

あと、国賓をお迎えするような時に整列する儀仗兵というのがあって、こういう人たちは実戦ではなく飾りだから、伝統的なほうが見ばえがするので、ことさら古めかしくします。
いまだに槍や鎧を使っていたり。
特に首を守る鎧だけは、甲冑で戦う時代でなくなっても使われ続けました。
自衛隊も羽田空港にそういう隊がいますが、旧式の銃を使い、身長など見た目のかっこよさで採用基準があるそうです。

肩の上にはフラップというかループ(正しくはショルダーストラップ)がつくことがあります。
トレンチコートの場合、あれは銃のストラップを固定するものだとか言われてますが、どうも怪しい。
ナポレオンや南北戦争の頃には、右に弾薬入れ、左にサーベルを下げていて、その帯をたすきがけで肩から下げていたから、胸と背中では、両方の帯がバッテンになっていた。
そういう帯が、肩からズレて落ちないように固定してただけだと思います。
仮面ライダーV3についてるのはスカーフ止めらしい。

肩のモップのようなヒレヒレは正肩章といって、本来は将校が左肩だけにつけてましたが、時代がくだると両肩につけるようになりました。

右肩から胸にかけての長いヒモ、あれはもともと先に筆記用具がついていました。将校だけがつける。
しかも、式典以外の時は将官くらいしかつけなかった。
旧日本軍では、これが銀色であれば皇族付武官でした。
今ではバイトの警備員までつけてますが、笛や拳銃を先につなぐんだったら、使い方としては間違ってない。
よく子ども番組で全員が左につけてるのは、全員左利き、もしくは、全員マヌケだと言える。
しかし衛兵なんかは、左につける例もあるようです(旗手など、右手をずっと高く上げていることが多い)。

線章や大綬の話は、二之丸に書きましたので、そっちを御覧ください。

なんらかの隊長をやってる人や、特殊技術の資格を持つ人は、それをあらわすバッヂやパッチもつけることがあります。

大佐くらいから下の人は、所属してる連隊マークもつけますが、これは正式には赤とか黄色とかのエンブレムでも、せっかく迷彩にしてるのに派手なマークつけたら意味がないので、野戦服につける場合はモノトーンにしたやつをつけてます。

 

父は自分の同期以外に、教官として送りだした後進や、実戦部隊に配属されてからの仲間にも顔が知られているうえ、狭い田舎ではバレバレなので。かわりに、母方祖父の写真でも。
カメラ目線でないのは、こだわりらしい。父も軍服姿のスナップはだいたい視線を外してます。
祖父は近衛兵ですが、制服はなにが違うのかよくわからない。
帽子は第二種っていう幅が広いやつをかぶってますね。
手にしてるのは銃剣で、吊ったままでは座れなかったらしい。
なんでベルトをこんなふうに投げ出しているのかは不明。
この写真には写ってませんが、この時期は日本独特の「両手で握れるサーベル」を使ってます。
それはそうと、俺はどちらかというと祖母に似たので、こんなに細い顔ではありませんので(笑)

 

階級章

階級章は、基本的に偉い人ほど線や星が多くなり、兵や下士官は赤とか黒、将官は銀(白)とか金(黄)が多いです。

二等兵は、旧日本軍では赤ばっかりだったので赤タン、将官は金の部分が多いのでベタ金と呼ばれました。

米軍では、尉官が線、佐官は葉っぱなど、将官が星。

これも連隊マークと同じで、野戦服ではモノトーンにするのが一般的です。

こういう話を始めるとキリがない。
服装の話は、独立させて別のコーナーを作るかもしれません。

軍服は俺も少し持ってますが、軍人でもないのに着るのはむなしい。
安くて丈夫で、アウトドアに便利ですが、俺は使うとしても階級章をはずして使ってます。

アメリカでは、軍人でない者が軍服を着て歩くと罰せられる法律が一応あり、ヨーロッパでは、ナチスの格好すると社会的に批判を浴びまくります。

うちの父は軍人会のバッヂをスーツのエリにつけて靖国様に行きますが、こういうことは命をかけて国を守った人にだけ許されることであり、関係ない人がマネするのはバカっぽいうえに、人騒がせでもあるし、軍隊を嫌う人への配慮にも欠けている。

自分に自信のない奴が軍服を着て偉くなった気になってるようなのは子どもっぽいので、うちの城ではあんまり相手にしたくありません。

このページも一時期、隠しページにしてましたが、戦う男がかっこいいからといって、戦争がかっこいいと思ってもらっては困ります。
戦争は、ヴァーチャルのゲームでやってることではなく、実際に人が人を殺すことです。
父の昔の部下がうちに来たりして、片腕や片目がない元軍人さんを俺はたくさん見ました。
戦争を知らない世代でも、戦争の悲惨さを学ぶことはできるはずです。

 

 →つづく 

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